未知なるジャムダニ物語(前)

未知なるジャムダニ物語(前)
毎週金曜日の早朝、ダッカ(Dhaka)郊外のデムラ・スタッフ・クォーター付近の、とある市場が活気を帯びる。サリーやジャムダニ織物の数々を卸価格で手に入れられる伝統の"ハート"(青空市)が開かれるのだ。アル アミンさんのようなマハジャンとして知られる商人たちが、バングラデシュの名高い手織物“ジャムダニ”を販売している。

手織物の織り手や工場の経営者の役割は分かりやすいが、マハジャンの役割は外部の人間にとっては幾分ややこしい。

市場の営業時間は午前3時から6時までの3時間と短い。ジャマダニの生産や販売に携わるあらゆる人々がこの市場に現れるが、アミンさんはそういった人たちの架け橋になる。

「この場所で一つの役割だけに留まるのは非常に困難です」
アミンさんのようなマハジャンたちはここで個人や小規模な織り手から品物を購入し、小売業者に販売する。
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アミンさんによると、仲介人はジャマダニ販売の手助けをしているという。仲介人たちは元々の織り手が付けた価格を超えて購入し、自身の分け前分を乗せて販売する。この方法をとれば、織り手は商品を早く売ることができ、仲介人は生産者を束縛せずに分け前を得ることができる。

数千の織り手たちにとってジャムダニは生命線であり、利益を生んでくれる人々だ。アミンさんによると利益は非常に公平なやり方で分けられるという。織り手の給金や工場運営費、輸送費、他のあらゆる関連費用を考慮し、全ての参加者が均等な利益を得られるよう配慮するのだ。このやり方なら誰も騙されたようには感じないとアミンさんは言う。
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The Daily Star June 15 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/the-untold-story-jamdani-1239736