未知なるジャムダニ物語(後)

現在のナラヤンガンジ(Narayanganj)、特にルプガンジ(Rupganj)のルプシ(Rupshi)村はジャマダニの生産・供給基地だ。ジャムダニ生産に必要な綿加工には豊富な水が要求されるため、シタラックヤ川が近くにあるこの地域は適している。

ジャムダニ生産は信じられないほど複雑であり、数日あるいは数ヶ月要することを知っている人は少ない。糸を織っていく各工程では、細かい部分まで入念に気を配る必要がある。だがジャムダニを織る人々にとってこれは普通のことだ。彼らは長い年月をかけて技術を磨き上げてきた芸術家でもある。先祖からずっとジャムダニ生産に関わってきた家も多い。

ダッカの外からはるばるデムラ・スタッフ・クォーターを訪れるのはやり過ぎなようにも思われるが、真に熱心な人々にとって、紛れもない喜びがそこにある。店や商店街で見かける全てのジャムダニはここからやって来る。しかも選りすぐりの品々がお手頃価格で手に入る。ハートは資本家や織り手、小売業者に至るまで、様々な立場の人々を巻き込んだ、まさにお祭り騒ぎの市場といえる。
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ハートを訪れた人々の多くは、間違いなく押し寄せる人の波に驚き、下から支える仕事人たちに気付かないかもしれない。

イードアルフィトルをちょうど1週間後に控え、アル アミンさんのような人々はより忙しくなる。だが祝祭シーズンで需要が大きくなるからといって、彼らは普段以上の代金を要求したりしない。稼ぎを皆で均等に分配すれば、誰もが少しずつ幸せになれるだろう。

The Daily Star June 15 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/the-untold-story-jamdani-1239736