マンゴー フィーバー(前)

マンゴー フィーバー(前)
アブドゥル ジャリルさんはリキシャの座席に腰を下ろし、息子や孫、作業員たちがマンゴーを収穫するのを眺めていた。

ルンギ(腰巻)を身に付け、肩にはガムチャ(綿のタオル)というみずぼらしい服装ではあるが、ジャリルさんは幸せそうだ。

ジャリルさんはガムチャで額の汗をぬぐいながら、こう話す。
「私は若い時にこの農園を作りました。今では稼ぎの大部分がこの農園からのものです」

午前8時、特派員がラッシャヒ(Rajshahi)市から約18km離れたダダス(Dhadhas)の農園を訪れた時、その日の収穫作業はほぼ終わっていた。農園は北東部では2番目に大きなマンゴー市場、バネシュワル市場の近くにある。

「マンゴーの収穫は日の出と共に始まります。収穫したマンゴー市場へ持っていくため、経営者たちは正午までに作業を終わらせるようにします」
収穫シーズン中、市場では昼夜を問わずマンゴーの取引が行われる。

作業員たちは竹棒に網を取り付けた"コタ"という道具でマンゴーを摘み取る。

ジャリルさんの息子モクレスル ラーマンさんは地面のマンゴーを拾い、2人の息子がそれをカゴに集めるのを手伝っていた。
People busy plucking mangoes from orchards at Dhadhas and Jhalmalia villages near the market Photo: Anwar Ali

People busy plucking mangoes from orchards at Dhadhas and Jhalmalia villages near the market Photo: Anwar Ali

5月中旬から8月初めまで続く収穫シーズンは、お祭りムード一色に染まる。

夜明けには栽培者やアルバイト、彼らの家族(女性を含む)や子ども、親戚が集まって活気づく。

ラッシャヒとチャパイ・ナワブガンジ(Chapainawabganj)は最高品質のマンゴーで有名であり、国内マンゴーの78%を生産する。マンゴーを親戚や来客と食べれば、この長く疲れる仕事も楽しいものになる。

今年はラマダンやイードでお祭りムードが増した。

イード前に良い稼ぎを得るため、今年は全品種のマンゴーを一緒に収穫するのだという。


The Daily Star June 21 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/its-mango-time-rajshahi-1243000