自閉症学校の危機

自閉症学校の危機
マグラ(Magura)出身のベグム シャムスンナハールさんは我が子の教育について心配する。普通の学校では教育支援や玩具が十分でないので、自閉症の我が子には向かないのだ。今はマグラにただ1つだけの自閉症生徒を対象とした学校に通っているが、資金難で先生の給料も払えない。学校の将来は不透明だ。

2012年にこの学校が開校した時、シャムスンナハールさんは入学した他の48人の生徒の保護者たちとともに喜んだ。子どもの教育に対する荒涼とした展望に、突如として希望の光が差したのだ。だがこの学校はいまだ経営難のただ中にある。

「自閉症学校は、マグラには他にありません。生徒たちの立場改善のため、当局は対策を取るべきです」
シャムスンナハールさんはいう。

「私の子どもはこの学校に2年間通っています。彼にはとても良い変化が見られました。先生方からは非常に気をかけてもらっています。とても良い教育です。先生方の給料不足は、私を悲しくさせています」
保護者のAKM ヌルル バシェールさんはいう。

この学校には5つのクラスがあり、8人のスタッフが雇われている。

「若い生徒たちは教室に沢山の喜びをもたらします。授業をしている時は私たちを笑わせてくれます。当たり前ですが、教室での立ち居振る舞いは普通の生徒に対するものとは違います。彼らが成長した時にはとても嬉しくなります」
スマナ カトゥン先生はいう。

「自閉症の生徒たちを教えるのは独特でやりがいのある経験です。彼らへの授業を通して、私たちはとても充実感を得ます。一つだけがっかりする問題があります。それは私たちに給料が払われていないことです」
補助教員のタスリマ カトゥンさんはいう。
「

「親戚たちは毎日、私が学校に行くのを止めようとします。私が4年間報酬をもらっていないからです。ですが生徒は我が子同然ですから、学校から離れることはできません」
そう話すドリファ ヤシュミンさんはこの学校の女性校長だ。

国内にある自閉症学校60校は知的障害福祉協会から定期的に寄付を受けるが、マグラの学校はそうではない。この学校の唯一の収入源は送迎代を含む毎月500タカ(674円)の授業料だ。だが多くの生徒は授業料を払わずに学校へ来ている。保護者にお金がないからだ。

毎月6千タカ(8,090円)ほどの収入のほとんどは建物の賃借料に回される。職員たちには手が回らない。

福祉協会マグラ支部のシェイク マヒヌル ホック副理事は、問題を認識していると話す。
「学校が社会福祉省に登録されれば、金銭的支援をすることができます。速やかな登録が必要です」

ヤシュミン校長によれば、社会福祉省に支援を求める文書を幾度か送っているが、よい結果が出ないという。

保護者達も支援に最善を尽くす。
「私たちは度々この学校を支援しています。私たちの町にいる自閉症の生徒たちにとって、この学校は重要です。ですが先生方は政府から給料をもらっていません。定期的に給料が支払われれば、学校はより良くなるに違いありません」
生徒の保護者オマル アリさんはいう。

生徒たちは学校の危うい財政状況など知らず、学校が存在する限り、ここでの生活を楽しむだけだ。
「私たちはこのクラスが好きです。習った通り、おもちゃで遊ぶようになりました」
3組のシェイク セタラさんはいう。

「私はここで手工芸を習いました。将来役に立つと思います。私たちのクラスは本当に楽しいです」
4組のムニラ タスニムさんはいう。

だが先生たちは一生懸命に働いているのに給料が払われず、悲惨な生活を送っている。政府もしくは何らかの非政府組織が、すぐ助けを差し伸べてくれることを願う。

The Daily Star July 14 2016
http://www.thedailystar.net/country/maguras-lone-school-autistic-kids-dire-straits-1253320
翻訳:ハセガワ 

#バングラデシュ #ニュース #自閉症