2県で状況悪化

2県で状況悪化
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ブラマプトラ(Brahmaputra)川、ダーラ(Dharla)川、テースタ(Teesta)川が危険水位を越えたため、ロングプール管区クリグラム(Kurigram)県とニルファマリ(Nilphamari)県の洪水状況はさらに悪化した。ラルモニルハット(Lalmonirhat)県では変化していない。

クリグラム県ではブラマプトラ川とダーラ川の水位が上昇し、多くの地域で川が氾濫しているため、状況は悪化している。

3日間続く豪雨と上流からの激流でブラマプトラ川とダーラ川の低地が冠水したため、県内7郡30ユニオンの200以上のチャー(中州)地区では、5万5千人近くが孤立している。

クリグラム水資源開発局(WDB)の職員によると、チルマリ(Chilmari)郡チルマリガット地点では、ブラマプトラ川の水位は危険水位を16センチ上回った。一方サダル(Kurigram Sadar)郡ダーラ橋地点では、ダーラ川の水位は危険水位を5センチ下回っていた。

地元情報筋によると、ダーラ川の洪水でサダル郡とプルバリ(Phulbari)郡9ユニオン20村では、およそ1万5千人が孤立している。一方ブラマプトラ川の洪水ではサダル郡、ナゲシュワリ(Nageswari)郡、ウリプール(Ulipur)郡、チルマリ郡、ロウマリ(Roumari)郡、ラジブプール(Rajibpur)郡21ユニオンの110以上の村で、合計4万人近くが孤立している。

「10村のおよそ1600人は食べ物不足に直面しており、連絡手段も断たれました。子どもたちは学校へ通うことができません」
ウリプール郡ハティア(Hatia)ユニオン議会のBM アブル ホッセン議長はいう。

ニルファマリ県ではテースタ川に発生した新しい水路に水が押し寄せ、学校や橋、土づくりのダムに次々被害を与えている。ディムラ(Dimla)郡では2週間にわたり家屋や農地が飲み込まれた。

テースタ川では危険水位を30センチ上回った。

地元住民によると、テースタ川上流にあるインドのダム建設工事の影響で、川に新しい水路ができたという。水の奔流はダムを迂回し、インドとの国境付近にあるチャーカリバリ(Char Kharibari)村の左岸堤防を直撃した。

これによりディムラ郡内のチャールカリバリ、プトゥボカリバリ(Putbo Kharibari)、ファクラテール(Fakrater)、マッディヤカリバリ(Maddya Kharibari)、ジンジールパラ(Jhinjir para)、タブール(Tabur)チャー、エコタールバザール(Ekotar bazar)、メヘルタリ(Meher Tari)、プラトンタプール(Puraton Tapur)チャー、テパカリバリ(Tepakharibari)各村で大規模な荒廃が生じた。

テパカリバリユニオン議会のラビウル イスラム シャヒン議長によると、強い水の流れでユニオン内の4つの建物が損傷し、道路交通が妨げられたという。

激流は250家屋とおよそ300エーカーの土地を飲み込んだ。600ほどの家族が村を離れ、より安全な場所に移動した。エコタールチャーとチャールカリバリの2つの診療所は水没し、保健サービスの妨げとなっている。

ディムラ郡初等教育官(UPEO)ロビウル イスラム氏によると、新たに発生した水路に流れる強い水の影響で、政府が運営する4つの小学校が全壊または部分的損壊、あるいは水没したという。

ラルモニルハット県の16ユニオン80村の状況は変化せず、テースタ川とダーラ川は危険水位に達しなかった。県内の他の小河川の水位は低下した。

「私たちは土曜日の晩から、人間ではないような生活をしています。水に囲まれているせいで食事の余裕がありません。キーラ(米のフレーク)やムリ(膨らし米)、グル(ヤシ糖)のような乾燥食品が必要です」
アディトゥマリ郡(Aditmari)ゴボールダン(Gobordhan)村のハズラト アリさん(58)はいう。

「まだ家の中には膝の高さほどの水があり、道路はすべて水の中です。ですので自由に動くことができません。井戸はすべて沈んでしまったので、村では飲み水不足が深刻です」」
同じゴボールダン村に住むハミダ ベワさん(60)はいう。
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アディトゥマリ郡マヒシュッコチャ(Mahishkhocha)ユニオン議会のモサッデク ホサイン議長によると、ユニオン内で少なくとも2300世帯が洪水による被害を受けたという。
「洪水で被害を受けた人のリストは用意しましたが、配る物資は何も届きません」

ラルモニルハット県のイドリス アリ救援復興官によると、政府は県内の被災者たちに対し、米35トンとキーラやムリ、グル、パンなど大量の乾燥食品を用意し、配布する予定だという。

チャーナルシング(Char Narsingh)の農家ヌール イスラムさん(55)は、今期のアマン米栽培に備えて種を準備したが、その50%近くが洪水の被害にあったという。
「今月までに地元の市場でアマンの種を調達しなければ、土地は未耕作地となってしまいます」

農業普及局のサロワール ウル ホク副局長代行によると、農家は地元市場で種子が入手することが可能だという。

The Daily Star July 20 2016
http://www.thedailystar.net/country/flood-worsens-kurigram-nilphamari-districts-1256497

翻訳:ハセガワ

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