8%成長が必要

8%成長が必要
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この先15年間、経済で生じる余剰労働力を吸収するには、バングラデシュは年8%の経済成長を必要とする。アジア開発銀行(ADB)は昨日、新たな研究成果を発表した。

「製造業が成長の原動力と生産的雇用の主要な源であり続けるだろうが、製造業の基盤は多様化を必要とし、この部門では向こう15年間およそ12~15%の成長を遂げなければならない」
研究ではこう述べられている。

衣料品をはじめとしたより多くの労働集約型産業は成長を続けなければならない。農業もより多くの生産的雇用を生み出すため、多様化すべきだ。研究内容では同様の潜在性を持つ衣料品以外の産業に対しても、政策体制は中立的である必要があるという。

建設部門は近年いくらかの不安定さを見せているものの、雇用には大きな潜在性がある。

研究では労働生産性の改善と実質賃金の引き上げも提案された。

「契約条件や社会的保護、職場の安全性といった他の側面でも雇用の質は改善を必要とする」
報告書"バングラデシュ雇用診断研究:衣料産業の向こうを見据えて"にはこう書かれている。

研究を主導したコンサルタントのリズワヌル イスラム氏は、ダッカ(Dhaka)のラディソンホテルで開かれたセミナーで研究成果を発表した。国際労働機関(ILO)とADBが合同で研究を指揮した。

2013年労働力調査のデータを利用した今回の研究では、学校に通ったことが全くない人々を除くすべての教育水準で、2010年から労働者失業率が低下していることを突き止めた。

分析によると、教育水準間の収入格差は縮小している。ただし中等教育を卒業した層は、初等教育のみを受けた層との収入格差を広げている。

研究によれば、女性の教育アクセスの拡大は女性がより良い仕事に就く助けとなり、その一方衣料品部門の雇用増加傾向は貧困の減少に関連しているという。

農業やその他私的部門の家族経営を筆頭とした経済活動への子どもの参加は、発展途上国では長年にわたり続いてきた。

だが重大な貧困の減少や初等教育加入率の増加、強力な反対キャンペーンといった様々な要因で、子どもの経済参加は次第に減少してきた。

バングラデシュは織物業や衣料品業を筆頭に製造業の仕事創造には成功してきたが、衣料品部門以外の産業に広い職業供給源を作ることは出来ていない。

卸や小売業を筆頭としたサービス部門の職業はその多くが私的なものだ。

にもかかわらず、情報技術やソフトウェア、機械修理、観光といったいくつかの前途有望なサービス部門や製造業の一部の領域には、然るべき動機づけが行われればさらに成長する可能性があるという。

農業の大部分の仕事は私的かつ、さほど生産的でない状況が継続するが、だがバングラデシュ農業の価値連鎖にさらなる投資を行う機会があり、これによって農家を市場に接続するとともに、彼らの収入を増やす助けとなるだろう。

だが供給側のいくつかの要素が経済の多様化に制約をかけている。その一部は熟練労働力の不足、技術的なボトルネック、起業精神や経営スキルの不足といった雇用に関係するものだ。

バングラデシュの労働力は豊富であるものの、製造業では熟練労働力不足が大きな制約事項として認識されている。

熟練労働力不足は中規模で、輸出中心企業にとっては特に深刻だ。

製造業は現在バングラデシュの輸出品目の圧倒的多数を占めるが、そのかなりの部分は後方へのつながりが制限されているため、国内での付加価値が非常に低い。

バングラデシュは出稼ぎ労働者の安定した流出に関して上手くやってきているが、研究によればこの数字を増やし、労働者たちの技能や職業構図を変化させられる可能性があるという。

バングラデシュ人が外国でより多くの仕事を見つけるためには、バーレーンやオマーン、カタール、シンガポールなどの既存の行き先と、ヨルダンやレバノン、韓国といった新しい行き先の両方に働きかけることが必要となるだろう。

様々な行き先やその見込みは、経済やビジネス展望の分析、2国間のつながりの強化といった様々な手段を用いることで研究することができる。

バングラデシュから外国へ移住するには高い費用が掛かることは大きな問題だ。この費用には飛行機の搭乗券やビザなどの料金だけでなく、人材斡旋会社や仲介業者に支払う料金も含まれる。

金銭的コストに加え、詐欺行為や現地での契約内容の変更なども一般的な問題であり、こちらはもっと深刻だ。

「バングラデシュは年間約7%の経済成長を実現してきていますが、残念なことに我々の労働市場は成長していません」
研究を主導したコンサルタントのイスラム氏は話す。

外国では毎年約50万の仕事が見つかるが、国内の仕事創出にも取り組む必要がある。

「我々は主に未熟な労働者を輸出し、中程度に熟練した労働力を他国から輸入しています。このやり取りに均衡があるべきです」

ILOのスリニバス レディ国内ディレクターは若い男女を教育し、彼らの経営能力を高めるよう呼びかけた。

レディ氏はさらに政府に対し、衣料品部門への支援を継続し、差別のない政策を検討することを求めた。

「社会的保護は非常に重要な問題で、バングラデシュは社会的保護についてさらに投資を行うべきです」
レディ氏は話す。

「我々は商品の輸入にもっとお金を使うべきです。空港での商品の開放が遅れているためです」
ダッカ商工会議所のサイエド ナシム マンズール会長は話す。

マンズール氏は衣料品以外の部門で用いる、耐火素材の輸入に対する税金を撤回するように求めた。
「衣料品以外の部門にも、持続可能なパッケージが必要なのです」

The Daily Star Sep 02 2016
http://www.thedailystar.net/business/8pc-growth-needed-create-more-jobs-study-1279159
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #労働力調査データ