大きなビジネスの可能性

大きなビジネスの可能性
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犠牲動物の体の一部など、イード アル アドハー(Eid-ul-Azha)の際に発生した廃棄物には大きなビジネスの可能性があるが、適切な管理や国民の認識が欠けているため、この可能性は殆ど掘り起こされていないと専門家らは話す。

南北ダッカ(Dhaka)市の統計によると、今回のイードでは犠牲動物の廃棄物が南ダッカ市(DSCC)では約1万9002トン、北ダッカ市(DNCC)では約7800トン発生したとされる。

廃棄物は48時間以内に撤去され、マトゥアイル(Matuail)やアミンバザール(Amin Bazar)の埋め立て地に捨てられた。

これらの廃棄物は体系立てて用いれば、資源になると専門家らはいう。

牛糞や牛の胃の中にある消化途中の飼い葉は、燃料や肥料、魚の餌に、骨はカプセルのキャップ製造に、血液は鶏や鳥の餌になる。

牧畜の角はX線写真や映画のフィルム、櫛、ボタンに、脂肪は石鹸製造に利用できる。

生殖器は国内では通常食さないが、中国やタイ、香港などでは人気があり、輸出すれば莫大な外貨を得られるだろう。

国連開発計画(UNDP)顧問で元ダッカ大学教授のマーブブ ハサン氏によると、"急速有機変換(rapid organic conversion)"によって600トンの廃棄物から10メガワットの電力を作れるという。

急速有機変換は、有機物の分解プロセスを単純に加速させるだけだ。

「既にDSCCには提案を出しており、すぐにまとまるでしょう。その後、第1区で試験計画として実施します」
マーブブ氏はいう。

バングラデシュ精肉商協会(BMTA)のロビウル イスラム事務局長は、雌牛や雄牛の体の全てのパーツはその糞でさえも非常に有用であると話す。

政府はこれらを適切に利用するために率先して動くべきだとロビウル氏。

バングラデシュ輸出促進局によると、昨年は動物の生殖器を含む体の様々な部分の輸出で1700万タカ(2202万円)得たという。

またロビウル氏は体のパーツのかなりの量がミャンマー国境から国外に密輸されていると主張し、適切な管理があれば輸出収入はさらに大きくなっただろうと話した。

さらに政府はシャバール(Savar)のヘマイエトプール(Hemayetpur)でなめし革産業関連のビジネスに関わっている人に対し、加工工場を建てられるようにある程度の土地を貸し出すべきだと話した。そうすればビジネスが大幅に促進されるという。

各種キャンペーンによる国民の認識向上も必要だ。国民は動物の廃棄物の価値を知るべきであり、そうすれば廃棄物を体系立ったやり方で集めてくれるだろう。

特派員が先日マトゥアイル埋め立て地を訪れた際、様々な年代の数十人が廃棄物の中から骨や脂肪を集めているのを見かけた。埋め立て地は廃棄物の山でいっぱいだった。

「この3日間でおよそ200キロの脂肪と150キロの骨を集めました。脂肪は1キロ7タカ(9.1円)、骨は1キロ5タカ(6.5円)で売れます」
ダルプール(Dhalpur)に住むナズマ ベグムさんは話す。彼女はペットボトル収集で家族を養っている。

ナズマさんによると、この地域に住む500家族ほどが同様の仕事で生計を立てているという。

ロビウル氏によれば、このビジネスには約1万から1万5千人の商人と約10万人の労働者が関わっているという。

多くの人がゴミ箱やゴミ捨て場から骨を収集し、ハザリアバグ(Hazaribagh)やデムラ(Demra)、ボードバザール(Board Bazar)、アリカ(Aricha)、クルナ(Khulna)など、国内各地の商人に売っている。

マトゥアイル埋め立て地のリアド取引所・骨加工場の経営者モハマド モザメル ホサイン氏は、国内各地から骨を収集し、カプセルキャップの製造用として医薬品会社に販売しているという。
「生骨は1キロ10~12タカ(13~15.5円)、乾燥骨は1キロ15~20タカ(19.4~25.9円)で買い取り、それらを24~25タカ(31.1~32.4円)で販売しています」

畜牛の生殖器を1つ6~8タカ(7.8~10.3円)で海外に輸送して利益を得ているとロビウル氏は話す。

DSCCのコンドケール ミッラトゥル イスラム廃棄物管理長補佐は取材に対し、市は廃棄物を計画的に使用する計画があり、この問題に取り組んでいると話した。

The Daily Star Sep 29 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/waste-generated-during-eid-ul-azha-huge-business-potential-waits-be-unlocked-1291210
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #犠牲動物 #ビジネス