親切なサレハ

親切なサレハ
50歳のサレハさんは人生を通して、世間の拒絶とむごたらしさしか目撃してこなかった。

彼女は家庭から捨てられたペットボトルやダンボール、紙などを集めてわずかな収入を得、ここ10年ほどはニルファマリ(Nilphamari)県のサイドプール鉄道駅で暮らす。

だがこの類まれな暖かい人間性を持つ中年の未亡人は、捨て子を助け、自分の子のように育て始めた。

「5年前の暗い冬の夜、近くのゴミ箱から赤ちゃんの泣き声が聞こえました」とサレハさん。

「好奇心の強い私はゴミ箱に近づき、ポリエチレンに包まれて捨てられた赤ん坊とそれを取り囲む数匹の犬を見つけました」

彼女は犬を追い払い、寒さに震えていた女の赤ん坊を服に包んで連れ帰った。赤ん坊が目覚めたとき、サレハさんはその子ルプバニに呼びかけた。

サレハさんはすぐルプバニの両手両足が麻痺し、発声や聴力に問題のあることを知った。だがプルバニが言葉にできないほと人生を幸福で満たしてくれることも知り、見捨てたりはしなかった。

サレハさんは12年前、日雇い労働者だった夫のニザム・アリさんを亡くした後、鉄道駅に住み始めた。

1日70から80タカ(101から115円)の収入しかないサレハさんは、ルプバニにおいしいものを食べさせることができないし、医者に診せる余裕もないという。

ルプバニに毎月の手当てが支給されれば、医者の治療を受けさせ、学校にも通わせることができると、サレハさん。

サイドプール(Saidpur)郡社会福祉事務所のナスラット・ファティマさんは、手当をすぐ支給するため、ルプバニの名前を障がい者リストに記入したと話した。

バングラデシュ/The Daily Star Mar 15 2017
http://www.thedailystar.net/country/saleha-symbol-humanity-1375966
翻訳:吉本
#バングラデシュ #ニュース #捨て子