色褪せてもいまだ失われず

色褪せてもいまだ失われず
バングラデシュで最も大きい小売市場の一つカトゥンゴンジでは、ほんの10年前までホルカタ(新しい台帳:新年を記念して新しくする)をもっと盛大に祝っていた。店を訪れた客は自分のツケを精算し、商人たちは客に砂糖菓子を振る舞うことで関係を新たにした。

だがこのお祭りは過去のものとなりつつある。

このお祭りの壮大さが次第に失われているのは通信技術や銀行業の発達、あるいは人々の間の信頼が弱まっていることにあると、商人や店主たちはいう。

ほんの10年前の取引は現金が主流で、ポヘラボジャック(ベンガル暦新年)には一年間の未払い金を支払った。タヤビア商人会会長で、1990年からカトゥンゴンジで商いをしているソライマン・バドシャ氏は話した。

一年間の勘定を締めた後にホルカタを開き、新しい年を迎えていたという。

店を飾り、客に招待状を送り、菓子などの食べ物を買って、この日を祝うために入念な準備を行った。

「今でもホルカタは開かれ、ツケは清算され、お客さんには砂糖菓子や食べ物がふるまわれます。しかし何もかもが小規模になりました」
バドシャ氏は話す。

バドシャ氏によれば、今や現金取引の割合は全体のわずか20%で残りは小切手だという。

ホック商会を経営するアジズル・ホック氏もバドシャ氏に同意する。昔の客は未払い金を精算するため、現金がいっぱい入った鞄を持ってきていたが、今はそういうことはしないという。

だが、すべてが失われたわけではない。

決済の手段が何であれ、商人たちはその年の帳簿を付けるために台帳を開くのだとホック氏はいう。

ゴパル・バニッジャ・バンダルの所有者チャンダン・クマル・ポッダル氏は、多くの客がツケを自分で払おうとしないと話す。
「その結果、ホルカタ祭りは日に日に魅力を無くしています」

カトゥンゴンジ商業産業協会のサギル・アーメド事務局長によると、通信技術や銀行、その他の便利なものの発展で、市民は未払い金を同じ日にまとめて払おうとしなくなったという。

国内ではポヘラボイシャクが4月14日に祝われるが、多くの商人はムガル皇帝アクバルが導入したベンガル歴にならい、その翌日にお祝いをする。

The Daily Star Apr 13 2017
http://www.thedailystar.net/city/losing-lustre-still-not-lost-1390501
翻訳:長谷川
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