ペットボトルの家

ペットボトルの家
バングラデシュ北部国境地帯、ラルモニルハット(Lalmonirhat)県で作られているペットボトルの家は、我が国初のものかもしれない。

砂を詰め、モルタルで固定したペットボトルを横に置く。丸や四角の底を外側に向け、キャップは内側に向ける。そんな家を一目見ようと、チャドラプールユニオンのナワダバシュ村には近隣から好奇心旺盛の人々が集まってくる。

「不思議な風景です……ですが、バングラデシュ初のペットボトル製の環境に優しい家がここにあることを誇りに思います」
50世帯が住むこの村の住人ヤクブ・アリさん(75歳)は話す。

アリさんの背後にいたこのプロジェクトの4人の建築業者の1人、25年の経験を持つジャラル・ウディンさんは、こんな斬新な建築素材は一度も使ったことはないと話した。

この家を作っている夫婦は今年初め、シェイク・バーホヌディン・ポスト・グラドゥエイト・カレッジで環境科学を教えることを止めた。

30代前半の夫婦は大気汚染から逃れるため、6歳と1歳の子を連れてダッカを後にした。

妻のアズマ・カツーンさんのアイディア、リサイクルペットボトルを使った環境に優しい家づくりを実現するため、ダッカから350キロ離れたカリゴンジ(Kaliganj)郡で理想的な土地を見つけたと、夫のラシェドゥル・イスラムさんは話した。

2カ月半前に始まった建築には1リットル、500ミリリットル、250ミリリットルのペットボトルおよそ8万本が使われている。それらは回収業者から6万タカ(8.4万円)で買ったという。

ラシェドゥルさんによると、建築にはセメント150袋とトラック6台分の砂も必要で、それぞれ6万2千タカ(8万7千円)と7千タカ(9900円)かかったという。残り30%を作るのに、あと一カ月ほどかかる予定だ。
20170511004DM2
1700平方フィートの1階建の家にはモルタル製の床、4つの寝室、応接室、台所、2つの浴室、廊下、ベランダ、11の窓、7つのドアがある。

アズマさんは日本で建築されたペットボトルを使った同様な家をインターネットビデオで見て、デザインやレイアウトを思いついたという。

彼女は以前複数のプロジェクトでスキルを磨き、インテリアデザインに関わってきた。

公共事業局のエンジニアによれば、夫婦は通常のレンガで作られた住宅の約4分の1、合計40万タカ(56.3万円)の経費を見込んでいるという。

「ペットボトルは環境を汚染しています」とアズマさん。だがこの家は地震や竜巻に耐えられると補足した。

また、圧縮された砂は煉瓦の10倍の強度を持つだけでなく防弾効果や断熱効果があり、天候の変化に関わらず室内温度を安定させると話した。

「強く、長持ちするでしょう」
レンガを使わないことで、レンガ窯に起因する汚染を減らすことにも役立つと夫婦は指摘した。

「私たちはずっと村に住み続け、有機素材を使って作物を栽培し、魚を獲る計画を立てています」
ラシェドゥルさんは話した。

バングラデシュ/The Daily Star May 11 2017
http://www.thedailystar.net/backpage/reducing-pollution-plastic-bottle-house-holds-promises-1403971
翻訳:吉本
#バングラデシュ #ニュース #ペットボトルの家