民間投資の停滞が成長を阻害

民間投資の停滞が成長を阻害
GDP8%成長を果たして中所得国へと向かう動きにおいて、バングラデシュは大きな困難に向き合っている。昨25日、バングラデシュ国際商工会議所(ICCB)のマーブブル・ラーマン会長が話した。

一番の問題は、開発プロジェクトを実施する制度面の弱さに伴う民間投資の停滞だという。

2021年までに中所得国としての地位を確立するとともに、全面的な成長加速や貧困削減、収入格差の是正を実現するには、年間投資額に対するGDP比を2015年時点の29%から2020年には34.4%に大幅に拡大する必要がある。

ラーマン氏はダッカ(Dhaka)で開かれたICCB年次協議会の場で理事会報告を発表した。

報告によれば、2017年のバングラデシュ経済は民間投資の停滞以外に、送金収入の減少や国内の不良債権の増加といった問題にも直面しているという。

外部の要因として、不安定な世界や湾岸諸国の政治、そして欧州経済の混迷が脅威となっている。

欧州の債務危機や複数の通貨での対米ドル為替レートの下落を受け、第一の輸出先である欧州連合の経済の回復ペースは2017年に危機的な状態になるだろうと報告は記す。

世界銀行の報告によれば、バングラデシュは政策立案者や開発実施者らにとって、刺激の源であり課題でもあるという。バングラデシュの現在までの貧困削減努力は抜きんでたものである一方で、国内ではいまだに2800万人が貧困線以下の生活で大きな課題になっているとラーマン氏。

ラーマン氏によればバングラデシュは重要な分岐点に立っており、適正な政策と時宜にかなった行動によって中収入国の仲間入りができるという。だが、国内外の困難にも関わらず、バングラデシュ経済は安定した道を進んでいると報告書は記す。

短期マクロ経済の前向きな概観やインフレ率の低下、貯蓄の増加、財政赤字の抑制、公債額の安定によって明るい展望が示されているというのだ。

バングラデシュは2016年に6%以上の成長を達成した発展途上国の上位12カ国に入っており、この10年間で最も大きな実績を残したアジアの国の一つだ。

専門家によればバングラデシュ経済はどの面でも上手くやっており、経済的・社会的実績は世界で幅広く評価されていると、ラーマン氏はいう。

協議会は理事会報告を採択し、ICCBによる2016年財務発表の監査を行った。

ラーマン氏はDHLデイリースタービジネスアワードでビジネスパーソンオブザイヤー2016に選ばれたエンボイグループのクトゥブディン・アーメド会長と、エンタープライズオブザイヤー2016に選ばれたメグナグループのモスタファ・カマル会長に記念品を贈呈した。

協議会にはICCBのラティフル・ラーマン副会長やロキア・A・ラーマン副会長を始めとするメンバーが参加した。

The Daily Star May 26 2017
http://www.thedailystar.net/business/stagnant-private-investment-hinders-bangladeshs-growth-iccb-1410910
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #経済成長