協同の力

協同の力
ガイバンダ(Gaibandha)県の遠隔地、ジャムナ川浅瀬地帯の生活は大変だ。村の女たちは家族のため、自立を求めて長く小規模酪農を続けてきた。だが遠隔地ならではの立地が枷となり、市場への牛乳輸送は困難が伴った。小規模酪農はたびたび赤字になった。だが、ジャムナ川浅瀬の2千人の女性に対し、非政府組織(NGO)SKS財団が酪農協同組合の結成を支援したことで状況は変わった。今や明るい将来が見えてきた。

「以前は1頭の牛から毎日1.5リットルの牛乳を搾っていました。一番近い市場は家から5キロの離れているため、牛乳を売って十分なお金を得るのが大変でした」
テンガカンディ(Tengakandi)中州に住むジャリナ・ベグムさんは話す。

テンガカンディはフルチャリ(Fulchari)、アレンダバリ(Arendabari)、ファズルプール(Fazlupur)の3ユニオンから成る複数の浅瀬地帯の一つだ。この地域は1年中本土から切り離されている。雨季はボートが主要な輸送手段で、乾季は砂まみれの長い徒歩の旅となる。

Jarina Begum milks her cow at her home in Tengrakandi of Gaibandha. Like many other women farmers in the area, she has changed her life by forming a cooperative to sell milk locally. The photo was taken recently. Photo: KM Rezaul Haque

酪農協同組合が出来たことで、搾った牛乳を近くの収集場所に置くだけで、公正価格で売れるようになった。さらに組合は生産量を上げるための助言も行っている。組合は関係する酪農家にとり、世界を変えた革新的存在だ。

「今は2頭の牛から1日に4リットル以上を搾っています。今では良い価格で売れるようになりました」
ジャリナさんは話す。

隣人のラシダ・ベグムさんの運命も同様に上向いた。
「損失を心配していましたが、今では牛乳を組合の調達場所で公正な価格で売ることができます」

組合が提示する1リットル32タカ(43.7円)で売れるだけではなく、納入した後、すぐに現金で支払いを受けられることも利点だとラシダさんはいう。

村の女性はほとんどが牛を飼育して牛乳を搾っている。協同組合がもたらした経済状況の改善は、地域全体の生活水準を引き上げた。牛乳は毎日午前10時から正午にかけて組合員が集め、牛乳商人に売られる。浅瀬地帯の牛乳はその質の高さから都市部で人気がある。菓子屋やパン屋など、牛乳を使う食品直売店が主な買い手だ。

地元の牛乳商人ゴラプ・パイケルさんによれば、組合から1リットル35タカ(47.8円)で牛乳を購入し、本土で1リットル45タカ(61.5円)で販売するという。
「以前は浅瀬で牛乳を買うのがとても大変でした。家々を回り、生産者一人一人に話を付けていました」
ゴラプさんは昔を振り返る。
「今では、牛乳を指定された場所で一括調達することができます」

SKS財団は金銭面の支援も行っている。
「我々の目標は浅瀬地帯に住む女性の地位を向上させ、運命を変えることです。彼女たちが牛の飼育を通して自立できることを願っています」
財団のバーラム・カーン調整官は話した。

県のアブドゥル・ラティフ家畜担当官は、テンガカンディの女性たちは牛乳を生産し、効率的に売り込む前例を示したという。
「彼女たちの取り組みで、遠隔地の浅瀬地帯には雇用まで生まれました」

バングラデシュニュース/The Daily Star Jul 12 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/change-maker-milk-dairy-farm-cooperative-brings-financial-solvency-gaibandha-shoal-women-1431808
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #酪農 #協同組合 #ガイバンダ