繰延べで投資の加速を

遅れている民間部門の融資成長を加速させるため、バングラデシュ銀行(BB)は中小企業に対する返済繰延べ措置を実施するといい。経済学者らは話した。

2017年上半期の金融政策では、民間部門の融資成長目標は16.5%に設定された。5月時点の融資成長は16.03%だった。これに対し、昨年6月の民間部門の融資成長は16.78%だった。

物価上昇の抑制や民間部門の融資成長の勢いを維持するため、BBは来週新たな金融政策を発表する。
「中央銀行(BB)の一番の目的は民間投資の拡大であるべきです」
バングラデシュ開発研究所の前研究責任者、ザイド・バクト氏は話す。

そのための一番の方法は、繰延べの際、商業銀行に何らかの柔軟性を与えることだ。中小企業の場合はなおさらだ。

「そうする必要があると考えています」
バクト氏は繰延べ機会が与えられなければ、中小企業は債務不履行者のままだと補足した。氏はアグラニ銀行の会長でもある。

機会を得れば、自分の事業を繁栄させるために熱心に取り組む動機が生じ、結果として銀行融資の返済につながる。だが大口の借り手の場合、融資は場合に応じて考慮するべきだとバクト氏はいう。

政策対話センターのムスタフィズル・ラーマン特別研究員はバクト氏のアプローチを支持した。

50億タカ(68.4億円)以上の融資を受けている大口の不良債権者には繰延べ機会が与えられた。したがって、中小企業にも同じ機会が与えられるべきだ。

だが、この措置は1件ごとに銀行と顧客の関係に基づいて実施する必要があると、ラーマン氏はいう。

BBの統計によれば、2016年末時点で中小企業融資合計額は1兆7264億タカ(2.36兆円)で、前年よりも16%増えたという。中小企業融資は全融資額の23.89%を占めた。

不渡融資を抑制できれば、貸付け率を削減できるとラーマン氏。

「不良債権率を抑え込むため、BBは持てる力の全てを注がねばなりません」

ラーマン氏は約15銀行の監視員の任用事例について言及した。この取組みは不良債権の抑制に成功しなかった。

BBは監視員の任用だけに留まるのではなく、他の規制的権力の発動にも踏み込む必要があるという。

7月26日に発表される予定の新規金融政策は、政府による予算目標の助けとなる方向性に定めるべきだ。政府は2017-18会計年度のGDP成長目標を7.4%、物価上昇率目標を5.5%に定めた。

金融政策では特に物価上昇の抑制を試みる必要がある。現在の物価上昇率は食品価格の上昇を受けて上向き傾向だ。

今年は物価上昇を5.5%以内に留めることが困難だろうとラーマン氏。

BBは前回の金融政策で、物価上昇率を5.3から5.6%の範囲に抑え込む目標を定めた。2016-17年度の物価上昇率は5.44%だった。

7.4%のGDP成長を達成するには、民間部門への融資を拡大する必要があるとラーマン氏はいう。

融資成長はBBの計画より後れを取ったが、バングラデシュ統計局による試算では前年度のGDP成長は7.24%だった。

送金収入の減少や輸出成長の減速も、金融政策で取り組む必要がある課題だ。

送金収入は過去数年間、経済内の需要創出において強い役割を担ってきた、

バクト氏によれば、送金額減少の主要な原因の一つは為替レートであるという。

送金者が高いレートの恩恵を得られるよう、政府は一時的な二重為替レートの導入を検討すると良いとバクト氏。

BB職員によれば、新規金融政策では民間部門の融資成長目標は少し引き上げられて17%になる可能性があるという。加えて、従来の慎重だが緩和的な政策も継続されるだろう。

物価上昇のリスクはあるが、政策金利の変更はないだろうという。

「実施が確実な国政選挙があるため、金融政策の発表を一般国民向けのものにする試みがあるでしょう」

バングラデシュニュース/The Daily Star Jul 18 2017
http://www.thedailystar.net/business/rescheduling-facility-smes-boost-investment-1434904
翻訳:長谷川
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