物価上昇率、5.57%に低下

物価上昇率、5.57%に低下
食品と非食品双方の価格低下により、7月の物価上昇率は8カ月ぶりに低下した。

バングラデシュ統計局(BBS)が9日に公表した数字によれば、7月の消費者物価指数は前月より0.37ポイント低い5.57%だった。

国家経済会議実行委員会(ECNEC)の会議後、ムスタファ・カマル計画相が数字を明らかにした。

物価上昇率の低下は多くの経済学者を驚かせた。

「私たちは米価上昇や、ドルに対するタカの引き下げで輸入コストが増すことを鑑み、物価上昇率は上がるだろうと認識していました」
政策対話センターのトーフィクル・イスラム・カーン研究員は話す。

大豆や砂糖などの価格は世界的に低下したが、米価は上昇したとカマル計画相はいう。

バングラデシュで米は主食で、物価上昇率に大きな影響を与える。計画相は物価上昇率が低下した理由を尋ねられ、次のように答えた。
「米価が上がったのは都市部であり、農村部ではありません」

ダッカ(Dhaka)市内でいくつかの品目の価格を追跡調査しているバングラデシュ貿易会社によれば、9日の三等米価格は前年の1キログラム43~45タカ(58.8~61.5円)より37.5%高い数字だったという。

他の品種の米価も、この1年間で12.62~17.39%上昇した。

国連の食糧農業機関(FAO)によれば、三等米価格は2016年5月時点で1キログラム26.5タカ(36.2円)だったが、6月には47.3タカ(64.7円)に上昇し、7月には43.5タカ(59.5円)に低下したという。

洪水で2017年産ボロ米に被害が出たこと、2016年に生産量と輸入量が減少したことが相まって市場での入手性が低下し、6月には三等米価格が最高値を記録した。

BBSは7月の物価上昇データを公開し、主要経済指標の報告を月次報告の形式に戻した。

7月、物価上昇データは世界基準の慣習である月次報告ではなく、国内史上初となる四半期報告の形式で発表された。

この動きは経済学者や評論家からの批判を受けた。

世界銀行ダッカ事務所所属のリードエコノミスト、ザヒド・フサイン氏は物価上昇データの報告が月次報告に戻ったことを歓迎した。
「今後もBBSがこの報告スケジュールを保つことを期待します」

食品価格上昇率の低下は米の輸入にかかる関税が18%削減されたことや、信用状のマージン要求の緩和による米価の値下がりから生じた帰結だと思われるとフサイン氏。

結果として、7月は米の輸入量が著しく増加し、米価は1キログラム当たり4~6タカ(5.47~8.20円)低下することになった。

7月の食品価格上昇率は0.56ポイント減の6.95%で、過去3か月間で最も低い数字だ。

食品では魚や肉、野菜、果物、香辛料、牛乳、乳製品の価格が7月に上昇した。

「ラマダン後の消費者需要の減速が、非食品の物価上昇率の減少に寄与したと思われます」と、フサイン氏。

7月の非食品物価上昇率は前月の3.67%から0.14ポイント減の3.53%になった。

だが、エネルギーや家賃、保健、輸送は上昇している。

一方、2016-17年度の平均物価上昇率は2015-16年度より0.52ポイント低い5.44%を記録した。国際市場で家庭での必需品や燃料、その他幾つかの商品が冷え込み傾向を保ったためだ。

2016-17年度の平均物価上昇率は過去13年間で最も低く、さらに政府目標値の5.8%にも収まった。

だが、物価上昇率は消費者物価指数(CPI)が5.03を記録した昨年12月以降、上昇を始めている。6月までは毎月上昇していた。

バングラデシュ銀行(BB)が先月明らかにした最新の金融政策は、2016-17年度第4四半期に湿地帯で発生した洪水により引き起こされた食品価格の上昇傾向が、物価上昇に対してリスクを与えているとした。

BBの2017-18年度の金融政策は、CPI上昇率の12カ月平均を5.5%以内に抑制することを目指し、堅実で柔軟な方法を模索する。

BBの最新物価上昇予測調査は、2018年6月には物価上昇率が6%を超えると予測する。

この予測では、今年度上半期の物価上昇率年平均は5.5~5.9%だとしている。

「国内の物価上昇の動向や食品価格の変動、ベース効果の減衰を踏まえて将来を見据えると、2017-18会計年度中に何らかの価格圧力が生じる可能性があり、これに対するモニタリングや注意深い抑制を行っていく必要があります」
金融政策声明は述べている。

バングラデシュニュース/The Daily Star Aug 10 2017
http://www.thedailystar.net/business/inflation-inches-down-557pc-1446211
翻訳:長谷川
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