世銀、電力部門に5900万ドル

世界銀行(WB)はバングラデシュの電力部門に5900万ドル(64.7億円)の融資を行う。譲与的でない融資は今回が初めてだ。

融資の金利は2.85%程度、返済期間は猶予期間9年を含む30年だ。

「これは準商業的な融資ではありますが、国際市場の金利に比べれば許容できるものです」
財務省の職員は話す。

バングラデシュは公共・民間部門での投資需要に比べてリソースが不足していることから、WBから譲与的でない融資を受けることを決定したと職員は補足した。

資金は6月30日までにスケールアップ・ファシリティ(SUF)ファンドから提供される。SUFファンドは国際開発協会(IDA)の取引先に対して更なる支援を行うため、昨年3月に編成された枠組みだ。IDAはWBグループに所属し、最貧諸国への融資や譲与を扱っている。

IDA取引国のうち、債権のリスクが低いまたは中程度の国だけがSUFにアクセスする資格を与えられる。SUFにより、大きな開発効果をもたらすプロジェクトへの資金提供が期待される。

これ以前、バングラデシュはIDAからのみ融資を受けていた。金利は0.75%、返済期間は猶予期間6年を含めて38年だった。バングラデシュはWBに次いで、アジア開発銀行(ADB)から2番目に多い金額を借り入れている。

ADBはバングラデシュに対して2種類の融資を行っている。一方はアジア開発基金の融資で金利は2%、もう一方は一般資金リソース(OCR)からの融資で金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)ベースだ。

OCRからの融資の金利は最大3%、平均返済期間は最大20年間だ。

バングラデシュはWBやADBに加え、近い将来、中国から巨額の融資を受ける予定だ。

中国による融資の金利は2%で、これに加えて0.4%の手数料が適用される。返済期間は猶予期間5年を含む20年だ。

以前政策研究所のサディク・アーメド副所長がデイリースターに語ったところによると、金利や取引条件を考慮すば、SUFから融資を受けることは政府にとって健全な動きになるという。
「バングラデシュにとって良い機会となるでしょう」

SUF融資契約の締結は昨24日、経済関係局のカジ・ショフィクル・アザム秘書官とWBバングラデシュ事務所のキミアオ・ファン所長によって行われた。

需要拡大に対応するため、バングラデシュは過去5年間で発電能力を倍増させた。現在は人口の約78%が電力にアクセスできる。

発電システム規模の急速な拡大により、今のバングラデシュは電力供給の質や信頼性の保証という課題に直面しているとファン氏。

従って、SUF融資は国内の発電システムの信頼性や効率性を改善し、安価な電力を供給できるようにすることを目的としている。

「安価で信頼性がある電力供給により、事業が行いやすくなるとともに家庭にも恩恵が生じます」
とファン氏。

加えて、最新の発電システムは燃料使用量の削減につながるため、政府の財政を節約するだろう。

炭素性燃料の使用量削減により、温室効果ガスの排出も減らすことができる。

さらにプロジェクトでは、長さ40キロメートル分の送電線の設置や修復も行う。

「政府は全員に電力を供給するために取り組んでいます」
アザム氏はいう。

今回の融資は、ボトルネックの除去と国内の発電システムの最適化により、安価な電力を24時間供給できる助けになるとアザム氏は補足した。

バングラデシュニュース/The Daily Star Aug 25 2017
http://www.thedailystar.net/business/banking/wb-gives-59m-hard-credit-power-sector-1453666
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #電力 #開発 #世界銀行