卸売小売業減少も雇用3倍

卸売小売業減少も雇用3倍

【The Daily Star】「卸売・小売業調査2020」の暫定データによると、この10年、バングラデシュでは卸売・小売業の事業所数が減少しているにもかかわらず、就業者は約3倍の1410万人に増加した。

バングラデシュ統計局(BBS)が実施した10年ぶりの調査では、10年前、265万店だった卸売・小売業を営む事業所数は、2019-20年には254万店へと4%減少したことが分かった。

一方、GDPの約14%を占めるこの産業は、前回の調査以降、新たに880万の雇用を創出し、累計就業者は1410万人となった。

これらの雇用から得られる賃金や給与、そして生産性は急上昇し、ある大手エコノミストはこの変化を経済の構造的変化の反映と表現している。

「スーパーマーケットやデパートが、伝統的な個人商店に取って代わりました。過去10年間、この部門に構造的な変化があったことは明らかです」
元世界銀行バングラデシュ事務所上席エコノミストのザヒド・フセイン氏は、個々の事業所規模が非常に大きくなった一方、小さな事業所は姿を消したと述べた。

BBSは、2009-10年以前は2002-03年に卸売・小売業調査を行った。その時の事業所数は157万事業所で、就業者は212万6千人だった。

2002-03年、個人や企業のGDPへの貢献度を示す粗付加価値(GVA)は1362.7億タカ(1800.7億円)だったが、現在は24倍の3兆2952億タカ(4兆3544億円)に急上昇した。

BBSによると、2009-10年から2019-20年だけでも9倍に成長したという。

フセイン氏によると、1事業所あたりの名目上GVAの増加が示すように、就業者一人当たりのGVAは3.2倍以上に増加したという。

「これらの増加は、インフレ調整後も重要な意味を持ちます」
生産性向上は、就業者と経営者などの関係者間で共有されているとした。

就業者はコンピューターなどの最新設備を利用しており、これが生産性向上の理由のひとつと考えられる。

就業者1人当たりの雇用コストは、2009-10年の1万3千タカ(1万7179円)から2019-20年の7万1380タカ(9万4324円)と約5.5倍に拡大した。

経営者や債権者といった関係者へのリターンは、2009-10年の1万2千タカ(1万5857円)から、2019-20年の90万6627タカ(119万8045円)と約75倍に拡大した。

「バングラデシュの卸売小売業では、資本主義が正常に働いています」
バングラデシュ開発研究所の上級研究員カジ・イクバル氏は卸売小売業の貢献度が高まったことは良いニュースだとした一方、事業所数が減少した理由を検討する必要があると述べた。

多くの企業規模が拡大した一方、一部の企業が脱落した可能性があるとしたイクバル氏は、新型コロナウイルスパンデミックがこの分野の商人に大きな影響を与えたとした。

調査はパンデミックの前に行われたので、パンデミック後の商人たちの状況を知るため、BBSはさらなる調査を行うべきだとイクバル氏は述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Jun 21 2021
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/jobs-treble-despite-trading-units-decline-2114997
翻訳編集:吉本

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