成長率予測下方修正:ADB

成長率予測下方修正:ADB

【The Daily Star】アジア開発銀行(ADB)は、コロナウイルス感染抑制のために年度初めに実施したロックダウンの影響を反映して、最新の「アジア開発見通し2021年版」でバングラデシュの2021-22会計年度の国内総生産(GDP)成長率予測を6.8%に引き下げた。

4月時点の予測は7.2%だった。政府目標も昨年度の5.47%(暫定予測)から引き上げ、7.2%としている。

一方、世界銀行(WB)は、バングラデシュの22年度のGDP成長率を5.1%と予測した。

ADBは報告書の中で、この成長予測は製造業の強化、世界経済の継続的な拡大、政府の効果的な復興政策に支えられた力強い回復を反映していると述べた。また、主要輸出先で引き続き堅調な成長が見込まれることから、輸出収益はパンデミック前の水準に戻るとした。

「命を守ることと暮らしの安定を両立させる政策がバングラデシュの復興プロセスを支え、コロナ禍でも称賛に値いする経済成長を維持している世界でも数少ない国です」
ADBのマンモハン・パーカッシュ国内ディレクターはプレスリリースで述べた。

バングラデシュのGDPはモルディブの15%、インドの7.5%に次ぎ、南アジアで3番目に高い水準となる見込みだ。

その他の国では、ネパールを4.1%、パキスタンを4%、スリランカを3.4%とした。

バングラデシュでは送金が引き続き好調に、個人消費は堅調に推移すると見込まれる。また、消費者心理の改善と政府の景気刺激策により、民間および公共投資が促進されるという。

主な下振れリスクは、主要先進国の感染率が引き続き上昇し、外需が減少することだ。

「慎重なマクロ経済運営や景気刺激策、社会保護プログラムの効率的な実施が成長を助けています。また、雇用創出や迅速なワクチン接種、国内の資源動員の改善に向けた継続的な取り組みが、回復プロセスをさらに加速させるでしょう」
パーカッシュ氏は、金融包摂や社会的保護の拡大といった分野での最近の取り組みを評価した。

また、企業競争力の向上、外国からの投資、輸出の多様化、スキル開発、技術導入などの持続的な改革により、民間の投資が促進され、経済の回復が早まるとした。

一方、財政・金融刺激策の継続的な実施により、インフレ圧力が発生する可能性があるとした。

「良好な作物見通し、消費者の警戒心、十分に活用されていない生産能力により、物価上昇圧力は緩和されるでしょう。また、燃料の国内管理価格は、原油価格上昇の影響を緩和する可能性があります」

供給面では、農業への予算の優先順位が高いことから、2022年度の農業成長率は3.7%増が見込まれるとした。

輸出については、主要輸出先で引き続き堅調な成長が見込まれることから、8%の成長が見込まれるとした。

一方、送金の伸びは現会計年度、7%に減速する可能性があるとした。
「労働者へのワクチン接種が、出稼ぎ先での就職や堅調な送金の成長を維持するための鍵となる」
ADBは報告書で述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Sep 23 2021
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/adb-lowers-growth-forecast-2182166
翻訳編集:吉本

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