伝統織りを楽しむ子ども

伝統織りを楽しむ子ども
バングラデシュ南部、ジャロカティ(Jhalakathi)県のパティガル集落にとって、ムルタ(アシのような植物)の茎から柔らかくひんやりとしたシタルパティ・マットを織ることは仕事以上の意味を持つ。これは先祖代々受け継いだものだ。集落の子どもたちも積極的に加わる。

放課後、パティガルの子どもたち、特に女の子たちは敷物を織るのに忙しい。だがこれは彼女たちにとって、大切な余暇の時間なのだ。

「敷物を織るのは楽しいです。私たちにとっては遊びと同じです」
ラジャプール郡(Rajapur)マトゥバリユニオンのハイラカティ初等学校1学年のアントラさんは話す。

「私たちは自由な時間を、家族や友達と敷物を織ることに使います」
同じ学校の5学年のプジャさんは話す。彼女は同級生のアントラさん、バリスティさん、ジュイさんと一緒に、自宅隣の寺の軒下で敷物を織っていた。

「シタルパティ織りは、5年ほど前叔母に教えてもらい、それから織っています。普通の大きさの敷物を完成させるのに私は25日ほど必要です。それは1200タカ(1781円)で売れます」
プジャさんは学校の休み期間、多くの敷物を織ることに決めているという。

パティガルの大人たちによると、集落の子どもたちは5歳を迎えると家族に織り方を教わるという。これは子どもの教育に欠かせないことだと考えられている。

「他の仕事に就く子は織るのをやめるでしょう。それ以外は大人になっても織るでしょう」
シュシル・パティガルさん(60歳)は話す。

「集落の女子や女性、特に織る能力に優れた者はとても尊敬されます。先祖代々の職人技で、子どもたちは織る技術を学ぶことに熱心です」
ジュイさんの父親、ナルットム・パティガルさんは話す。

パティガルの若い子たちが、小さな指で器用に織るシタルパティマットも良い品質だ。若い子が積極的に伝統を学ぶという以外に、マットは家族の収入に大きな貢献をもたらす。

「こんな幼い年齢の娘でさえも、家族の収入を助けることができます。私は彼女の貢献にとても感謝しています」
プラスティックマットとの価格競争で需要と価格が減少する中、織り手が増えることは歓迎だと、ジュイさんの父親ナルットムさんは話す。

「シタルパティマット織が生き残るのはとても難しくなってきています」
ラジャプール郡の約100世帯がシタルパティマットを作っていると、ナルットムさんは付け加えた。

近年、厳しくなってはいるが、パティガルの人々にとってマット織りはお金になること以外の意味を持つ。
「私たちの悲しみと喜びすべてが、この工芸品に織り込まれています」
若い頃、同じように織る技術を学んだジュイさんの母親、シマ・パティガルさんは話す。

彼らの子どもたちも同じだが、パティガル集落は通常の教育についても熱心だ。
「パティガルの子どもたちはいつも学校に通っています。彼らは勉強に対して熱心です。私は彼らが作ったものに感銘を受けていますが、学校をおざなりにすることなく、家族の家計に貢献できていることを嬉しく思っています」
初等学校教師のメヘルネサさんは話した。

バングラデシュ/The Daily Star Dec 28 2016
http://www.thedailystar.net/country/patigar-children-enjoy-weaving-mats-1336573
翻訳:米澤
#バングラデシュ #ニュース #パティガル #伝統織物