ミミズで2千人の女性が自立

ミミズで2千人の女性が自立
バングラデシュ西部、ジェナイダ (Jhenidah)県カリゴンジ(Kaliganj)郡ダプナ村のレベカ・カトゥンさん、サクジャン・ベガムさんという2人の先駆的な努力のおかげで、およそ2千人の女性が自立できるようになった。彼女たちは栄養豊かなミミズたい肥を作っている。

レベカさんとサクジャンさんは、日本のNGOハンガーフリーワールドが提供した研修に参加したあと、村の他の女性たちにも参加を呼びかけた。

「ミミズたい肥は私の貧困を終わらせました。私はかつて金の装飾品の訪問販売していました。ある日、1人の主婦が私のことを、慈悲を求める乞食だと勘違いしました。私は恥ずかしかった。そこで他の仕事を見つけることにしたのです。ハンガーフリーワールドの責任者SM・シャヒンさんに会ったとき、これだと思いました」
レベカさんは話す。

「私はかつて家族を養うため、ネズミ穴を掘って稲を集めていました。夫は働くことが嫌いな人でした。わずかばかりの収入を得るため、ナクシーカンタ(キルト刺繍)のベッドカバーを作るのを手伝いました。他にもポン菓子の訪問販売もしました。ミミズたい肥に出会うまで、そんな仕事をしていました」
サクジャンさんは話した。

女性たちは2005年、ミミズたい肥の生産を始めた。
「今では16村に100甕の肥料製造場所を持っています。月に20モーンド(746キロ)のたい肥を売って8千タカ(1万1414円)、他にミミズを売ることで1万タカ(1万4268円)の収入があります。そのおかげでレンガの家を作り、井戸を掘り、衛生的なトイレを設置し、3頭の牛を飼い、バイオガス装置もあります。また14デシマル(556.44㎡)の土地を買い、1ビガ(1/3~1エーカー。1エーカーはおよそサッカーグラウンド1つ分)を借りています」と、レベカさん。

「今では村の97世帯すべてがミミズたい肥を作っています。私は200甕で作っています。月におよそ1万5千タカ(2万1398円)の収入があり、資産を増やし、家族の生活水準を向上させることができました」と、サクジャンさん。

近所のソナバハン・カトゥンさんは、ミミズたい肥で月1万2千タカ(1万7118円)の収入を期待する。ミミズたい肥で支払い能力が高まったと彼女はいう。

「ダプナ村の大半の女性はミミズたい肥の生産に関わっています。ミミズはキロ当たり1500タカ(2140円)、たい肥はキロあたり10タカ(14.3円)で売れます。女性たちの多くが家計を支えています」
郡農業事務所の担当者は話した。

村の女性たちは、それぞれの収入の一部を預金する貯蓄組合も結成した。貯蓄合計額は現在30万タカ(42.8万円)になり、メンバーの基金や村の極貧家庭の教育費に使われる。

農家が協力的なことも証明された。
「彼らの有機肥料は化学肥料よりも効果的です。土壌に害を及ぼしません。土壌は長く肥沃なままです」
近くのニーモトプール村の農家アルタフ・ホサインさんはいう。環境にやさしいミミズたい肥は現在、地域の農家の約60%が使っている。

「ミミズたい肥を経験した女性たちは他の人にも教えてくれます」と、ハンガーフリーワールドのSM・シャヒンさん。有機農業研修センターが、ライグラムユニオンのアグムンディア村に設立されたという。

急成長するダプナ村のミミズたい肥の認知度が高まったため、2017年月4日、クルナ県知事が成功の秘訣を知ろうと、視察に訪れた。

バングラデシュ/The Daile Star Feb 10 2017
http://www.thedailystar.net/country/vermiculture-brings-self-reliance-2000-jhenidah-women-1358848
翻訳:吉本
#バングラデシュ #ニュース #ミミズたい肥 #女性の自立