
【The Daily Star】バングラデシュの外国直接投資(FDI)の上昇傾向は、新型コロナウイルスパンデミックの経済的影響により、今年は減速する可能性があると、専門家は見ている。
「現在継続中の新型コロナウィルスパンデミックは、間違いなくバングラデシュへのFDIの流入を妨げるでしょう」
バングラデシュ投資開発庁(BIDA)のシラズル・イスラム長官は述べた。
国連貿易開発会議(UNCTAD)の予測によると、致命的な伝染病の出現により、世界のFDI総額は2020年末までに20%減少する。
イスラム氏は、より多くの外国投資を誘致するための長期的な解決策について、政策議論が必要だと述べた。
BIDAはこの点ですでに複数のイニシアチブを取り、FDIに直接関係するいくつかの規制の修正を推奨したという。
首相はすでに経済総局、財務局、国家歳入庁の高官と会談し、この問題の解決策を見つけようとしている。
新型コロナ発生は一般的に投資率を減退させるが、外国人投資家が健康リスクを心配しているため、とりわけFDIにとって不利になるだろう。政策対話センター(CPD)のコンドカル・ゴラム・モアッザム研究ディレクターは述べた。
以前はバングラデシュへの投資に熱心だった投資家も、パンデミックによってもたらされた経済的不確実性のため、計画を見直すかもしれない。
「投資家は間違いなくリスクを取ることを避けるので、世界全体がこのために苦しむことになります」
この期間に失われたFDIの量を回復する方法はないと、コンドカル氏は述べた。
政策研究所のオーサンHマンズール所長は同様に、新型コロナパンデミックの世界的な影響により、今年のFDIは不足すると予測した。
「現時点で人命を守ることが最優先のため、この現実を受け入れなければなりません」
また、適切なインフラの欠如が、多額のFDIをバングラデシュに誘致するための大きな障壁になっていると述べた。
バングラデシュでは様々な巨大インフラプロジェクトが実施されているが、パンデミックの影響で、それらのプロジェクトでさえ、遅々として進まない状況にある。
バングラデシュ銀行のデータによると、2019年1~9月期の国内への外国投資は、前年同期比40%以上減の約21.5億ドル(2386億円)だった。
21.5億ドルのうち、6億279万ドル(669億円)は株式に、9億9978万ドル(1109.6億円)は再投資利益に、残りの5億5129万ドル(611.9億円)は企業内融資に投資された。
一方、2017-18会計年度に25.8億ドル(2863.5億円)だったバングラデシュへのFDIが、翌会計年度に50.71%増の38.8億ドル(4306.3億円)を記録したことは特筆に値する。
バングラデシュ銀行のデータによると、1971年に独立して以来、バングラデシュは合計173.1億ドル(1兆9212億円)のFDIを受け取った。
Bangladesh News/The Daily Star Sep 11 2020
https://www.thedailystar.net/business/news/pandemic-may-cast-pall-fdi-1959409
翻訳:吉本