
【The Daily Star】シーコム(SEACOM)とサムダ(Samuda)の合弁会社「デルタ・アグロ食品(Delta Agrofood Industries)」は、健康的な食品に対する国内需要の高まりに対処するため、様々な品種の大豆や麦を使った加工品製造に120億タカ(158.6億円)の投資を行う。
デルタ・アグロはこの投資で、精製大豆油、大豆粕、豆乳、小麦粉を製造する新工場を設立する。
「小麦は、米に次いで国内2番目に重要な食料となっていることから、シーコムはこの取り組みを行うことを決定しました。小麦はどの国でも基本的食料であるため、農業を発展させようと小麦生産に投資しました」
シーコムのモハメド・アミルル・ホック社長は述べた。
デルタ・アグロの市場評価によると、食生活の変化や焼き菓子の輸出増加により、小麦の国内需要は過去6年で2倍以上増加している。
業界関係者によると、生産に多くの大きな変化が見られたにもかかわらず、国内栽培がニーズを満たしていないため、輸入量が116%増加したという。
さらに、糖尿病や肥満が増加傾向にあるため、伝統的な穀物に代わる健康的な代替品として、全粒穀物は急速に人気を高めていると指摘した。
国家歳入庁や農業振興局の統計によると、2014-15年度に1日72グラムだった小麦の消費量は125グラムに、約42%増加した。
穀物の年間需要は約770万トンで、それらの85%が輸入品だ。
同様に、大豆油と大豆粕の需要も年々大幅に増加している。
大豆油はバングラデシュで好まれる調理材料であり、大豆粕は魚や鶏の飼料として使われる。
プロジェクトの40%はプバリ(Pubali)銀行からの融資で、ナラヨンゴンジ(Narayanganj)県サイドプール(Saidpur)にある35エーカー(14万1640㎡)の土地に工場を建設する予定だ。シーコムのホック氏によると、そこには強力な流通チャネルがあり、戦力的に有効な場所だという。
「新工場では1200人の雇用を創ることができます。商業生産は今年末までに始まる予定です」
バングラデシュの1人当たりの年間大豆油消費量は9.2リットルだが、これは世界平均の25.2リットルを大きく下回る。だが、ライト・キャッスル社の市場分析によると、国民の購買力の向上に伴ってこの数字は上昇を続けているという。
デルタ・アグロはこのような背景から、すでに多くの国内市場プレーヤーが存在しているにもかかわらず、将来的に事業を成功させる可能性が高いと見ている。
ライトキャッスル社は、今後10年以内に、発展途上国の食用油の需要が先進国を上回ると分析する。需要が伸びている場所は、中国、インド、バングラデシュ市場だとした。
ちょうど30年前、大豆油の需要は全量輸入で賄われていたが、その後、輸入品から大豆油を精製し、国内生産する起業家も出てきたと、デルタ・アグロのSMナシール・ウッディン社長は述べた。
さらに、今では複数の起業家が輸入材料に頼らず、国内で調達して生産している。
ウッディン氏は、大豆100キログラムからとれる油はわずか20リットルで、残りの大豆粕が魚や鶏の餌として使われると補足した。
Bangladesh News/The Daily Star Oct 1 2020
https://www.thedailystar.net/business/news/delta-agrofood-invest-tk-1200cr-soy-flour-production-1970401
翻訳:吉本