ヒマワリ油工場に45億タカ

グローブ製薬グループは健康意識が高まってきた中所得層に対応するため、ヒマワリ油で食用油市場に参入する見通しだ。

ヒマワリ油はビタミンEの含有量が高く、飽和脂肪が少ないため、大豆油やヤシ油よりも健康に良いと言われる。

「一部の人は健康を考えてヒマワリ油に移行しているため、成長中の市場といえます」
グローブ製薬グループの最高財務責任者シャケル・シャミム氏は話す。

飲料やビスケット、日用品市場にも進出しているグローブグループは、45億タカ(63億円)で種子粉砕抽出工場を建設し、ヒマワリ油や大豆油、菜種油の抽出に当たる計画だ。

種子を用いた油脂抽出工場の建設は、シティグループ、メグナグループに次いで3番目となる。

業界関係者によれば、これにより輸入に依存する国内の食用油産業や飼料産業の国内連鎖能力が改善されるという。

家畜用飼料製造に用いられる油かすの輸入依存度が低下し、食用油の輸入量が減少すると期待される。

油かすとは油糧種子から油を搾りだした後に残る固形物で、牧畜の餌や肥料に用いられる。

食用油の需要は人口の増加や所得水準の向上、健康意識の向上、用途の拡大に伴って増加している。

米農務省(USDA)によれば、2015-16年度、人口1.6億人のバングラデシュは231万トンの食用油を消費し、今年度は252万トンへ増加する見込みだという。

バングラデシュ銀行のデータによると、食用油は国内生産量が不十分なため、必要量の90%以上を輸入で賄っているという。2015-16年度の輸入額は1040.8億タカ(1456億円)だった。

バングラデシュで消費される食用油はマレーシア・インドネシア産のヤシ油や、アルゼンチン・ブラジル産の大豆油が大部分を占める。

ヒマワリ油や菜種油、こめ油の市場はまだ小さい。

近年、国内のいくつかの業者がこめ油の生産を始め、高所得層向けにヒマワリ油や菜種油、オリーブオイルを輸入販売する業者も現れた。

シャミム氏によれば、工場では1日1200トンのヒマワリの種を処理できるという。

「我々はヒマワリ油を中心に、国内市場と輸出市場両方に対応します」

ヒマワリ油の価格は現在、最安値で1リットル200タカ(280円)で、多くの人は手が届かない。

「我々は調査の結果、安価にヒマワリ油を提供すればより多くの顧客を刺激し、需要が拡大すると結論付けました」

グローブグループは9月の市場参入を目指し、1リットル150タカ(210円)でヒマワリ油を販売するという。

シャミム氏によれば、ヒマワリ油や他の高価な食料油の現在の市場規模は毎月4~5億タカ(5.6~7億円)だという。

23カ国に飲料を輸出するグローブグループは、ヒマワリ油を輸出するための土台作りはできている。

ヒマワリやその他の種から取れる油かすは国内の飼料業者に販売するという。

バングラデシュ国内の飼料産業は年間160万トンの油かすを消費する。

油かすの需要は国内で粉砕された大豆や輸入大豆かすで賄われている。

USDAによれば、2015-16年度の大豆かすの国内生産量は86万トンだったという。

The Daily Star Mar 23 2017
http://www.thedailystar.net/business/globe-invest-tk-450cr-produce-sunflower-oil-1379887
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #食用油