“母親”のもとへ

“母親”のもとへ
アマール・エクシェ(2月21日)の前夜、チッタゴン(Chittagong)のゴミ箱に捨てられていたところを保護された新生児のエクシュちゃんが、とうとう“母親”に引き渡された。

チッタゴン裁判所は4月5日、シャキラ・アクテルさん(42)にエクシェちゃんを引き渡した。シャキラさんに親権を付与した6日後のことだった。

ジャンナトゥル・フェルドウス判事は満員の法廷の中、次のように話した。
「今日、あなたは国中が知っている子どもを引き取ります。彼が正しい分別を持った人物に育つことを願っています」

フェルドウス判事によれば、夫は重い病気で、集中治療室に運び込まれたという。だが彼女は裁判所に現れた。それが人としての責任であると考えたからだ。

フェルドウス判事はシャキラさんや夫、医師、看護師、警察、弁護士、メディア、そしてエクシェちゃんの人生を後押ししてくれた全ての人に感謝の言葉を伝えた。

「私は今とてつもなく幸せです。私は母親になれました」
シャキラさんは胸の内を表した。

これより前、戸籍係補佐のデバシス・クマル・ロイ氏と、チッタゴン医科大学病院新生児科・区担当者のシッカ・バッタチャリヤ氏がエクシェちゃんを裁判所に連れて来ていた。

証書への署名後、デバシス氏は法廷でエクシェちゃんをシャキラさんに手渡した。母親になりたいというシャキラさんの望みは結婚19年目にして、ついに現実となった。

裁判所は3月29日、母親になることを希望する16人の中からシャキラさんを選び、エクシェちゃんの親権を付与した。

さらにエクシェちゃんのため、100万タカ(137.5万円)の教育保険を取得するよう夫妻に指示した。

シャキラさんの夫で医師のザキルル・イスラムさんによれば、2人は既に裁判所の指示に従ったという。

M・A・ファイエズ検察官によれば、裁判所がシャキラさんを親権者に選んだのは彼女が子どもを産めない体だったからだという。これに加え、夫妻の金銭支払い能力も考慮された。

アマール・エクシェで国際母語デーのわずか1時間前の2月20日深夜、地元の若者数名がゴミ箱から赤ちゃんの泣き声が聞こえることに気付き、警察へ運びこんだ。その後、アクベル・シャー警察署が赤ちゃんを保護した。担当した警察官アラムギル・マームード氏が"エクシェ"と名付けた。

The Daily Star Apr 06 2017
http://www.thedailystar.net/backpage/ekush-finds-mother-1387123
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #捨て子