バングラデシュは未だ観光客にとって魅力的な訪問先ではない。最近、世界経済フォーラム(WEF)が発表した2017年旅行・観光競争力レポートで、バングラデシュは136カ国中125位となった。
外国人旅行客にとって、バングラデシュは南アジアで最も魅力的な観光地でなかったことになる。
近隣諸国ではインドが40位、スリランカが64位、ブータンが78位、ネパールが103位、パキスタンが124位だった。
バングラデシュの全体的なスコアは過去2年と同じ、7点満点中2.9点だった。2015年、バングラデシュは141カ国中、127位だった。
「インドやモルディブ、ネパールなどは優れたサービスを提供しているため、バングラデシュは他のSaarc(南アジア地域協力連合8カ国)諸国に遅れをとっています」
バングラデシュ旅行業者協会(TOAB)のMd・ラフェウッザマン筆頭副会長は話す。
バングラデシュが最新順位でランクを上げることのできない大きな理由は、政治的不安定さとグルシャンのテロ事件だったという。
一方、観光計画は端緒に就いたばかりなので、外国人観光客の獲得にはしばらく時間がかかるだろうと、ラフェウッザマン氏は話した。
政治的安定性が維持され、過激主義が抑制されれば、2018年までに多くの観光客が訪れることになるだろう。
2015年には合計12万5千人の外国人観光客がバングラデシュを訪れた。観光業は113.8万人を雇用し、国内GDPの2.4%を占める。WEFレポートは136カ国の旅行と観光競争力について詳細な分析を実施している。旅行や観光業で持続可能な経済的・社会的便益をどのくらいうまく提供しているかで、各国をランク付けする。
レポートは各国の魅力を14本の柱を通じて測定し、それぞれの柱に独自の枝柱がある。
「有利な価格競争もまた南アジア諸国に利益をもたらす。だが南アジアはインフラやICTの準備状況、保健衛生状況など、他の面では依然として立ち遅れている」
地域内のビザ政策を改善すれば、旅行や観光をさらに強化することができるとレポートは述べる。
スペイン、フランス、ドイツはランキング上位を維持している。
「アジア最大の経済大国で観光客が増加をしているため、アジアの優位性は近づきつつあります。この巨人の台頭で、アジアが観光の世紀を迎えることが現実のものとなるでしょう」
WEFの航空・旅行・観光業界コミュニティリーダー、ティファニー・ミスラヒ氏は話す。
だがアジアのポテンシャルを顕在化させるには、セキュリティ強化や文化遺産の宣伝、インフラ構築、より強力なビザ政策の作成など、多くのことをする必要があるという。
レポートでは世界経済が大きく停滞している中、観光業界がどのように良いものかを強調する。旅行・観光業は世界のGDPの10%を占める。それは他部門より速く成長し、10人に1人の雇用を提供しているという。
観光部門への予算配分が少ないなど、政府はあまり協力的ではない。
TOABのアクバルディン・アーメド前会長は指摘する。
「法律や規制状況はよくなく、インフラは非常に貧弱です。これらが基本的な問題です」
観光客はシュンドルボン(Sundarbans)やコックスバザール(Cox's Bazar)を訪問したいが、2つの目的地を旅するのは手間がかかるとアーメド前会長。
「これらの場所に国際空港があれば、観光客がその場所を訪れるのがとても楽になるでしょう」
そしてバングラデシュを観光地としてブランド化するよう呼びかけた。
「観光客は観光だけのために旅行するわけではありません。彼らはネパールやマレーシアのように、カジノやナイトクラブなどのエンターテイメント施設も求めています」
バングラデシュ/The Daily Star Apr 10 2017
http://www.thedailystar.net/business/tourists-sidestep-bangladesh-1388974
翻訳:吉本
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