インフラ支出の増加求める

インフラ支出の増加求める
頻発するエネルギー危機やインフラのボトルネック、不安定な世界経済の影響で、バングラデシュでの民間投資シナリオはここ数年間で小康状態となった。

そのため商工団体は、2017-18会計年度、インフラへの投資を現在の対GDP比2.87%から6%へ拡大するよう政府に要求した。

「我々が次の予算に最も期待することは、政府がGDPの少なくとも6%をインフラ開発に費やし、投資を引き付けることです」
ダッカ商工会議所(DCCI)のアブル・カシェム・カーン会長は話す。

年間8%のGDP成長のためには、GDPの23%程度で停滞している民間投資を34%へ引き上げる必要があるとカーン氏。

バングラデシュ統計局(BBS)の暫定データでは、2016-17会計年度、民間投資の対GDP比は23.01%と予測されており、前年に比べ0.02ポイントの増加にとどまっている。

インフラ開発は単に道路やハイウェイの状態を改善するだけでなく、エネルギーや電力部門への十分な提供を保証し、港湾施設の強化で商品の輸出入を円滑にするということでもある。

例えば1990年代の韓国ではGDPの10%をインフラ改善に投資していた。現在はベトナムが同様な事を行っている。

「多くのアジアの国々ではインフラ支出を拡大し、その恩恵を得ています」
2011-12年度、バングラデシュ政府もインフラ開発支出をGDPの2.87%から3%に増額したとカーン会長は補足した。

だが、それでは十分な開発ができなかったという。

「インフラを改善すれば、中国による"一帯一路"構想の下でも容易に外国投資を得られるでしょう。これは直接投資(FDI)を引き付けるための大きな機会です」

バングラデシュ衣料品製造・輸出業者組合(BGMEA)のシッディクル・ラーマン会長によれば、世界経済の不確かな展望や利益の縮小で、バングラデシュの主要輸出部門である衣料品への新規投資もこの数年間停滞しているという。

2015-16年度のBGMEAの加入工場数は4328件で、2014-15年度の4296件から増加した。

「つまり、新しい工場の数は非常に控えめです」
ラーマン氏は今年の新工場数も少ないと補足した。

世界銀行ダッカ事務所のリードエコノミスト、ザヒド・フサイン氏によれば、今あるプロジェクトがタイミングよく実施されれば投資シナリオに質と量の両面で良い効果を与えるという。

国内外の投資を引き寄せるためには、液化天然ガス(LNG)ターミナル建設や港湾開発、発電所、パドマ橋といったプロジェクトや、その他大型プロジェクトを可能な限り早期に実施すべきだとザヒド氏は話した。

バングラデシュ商工会議所連盟のシャフィウル・モヒウディン会長は、政府は投資を引き寄せるため、産業部門を優先する必要があるという。

国内の地価は非常に高いため、経済特区は可能な限り早く準備を整えるべきだ。さらに、投資家が決定できるよう、政府は少なくとも今後6年間の公共料金についての明確な考えを提示すべきだとモヒウディン氏は話す。

公共料金の頻繁な変更は投資の意欲を削ぐという。

バングラデシュ銀行のデータは、バングラデシュは今会計年度の当初6カ月間で17.1億ドル(1895億円)のFDIを受け、対前年比で7.8%増加したことを示している。

昨会計年度のFDI総額は20億ドル(2216億円)を上回り、前年に比べ9.43%増加した。


The Daliy Star Jun 01 2017
http://www.thedailystar.net/business/bump-infrastructure-spending-1413772
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #投資