米農務省(USDA)によれば、バングラデシュの2017-18年度の綿花輸入量は710万ベール(15.5万トン)に増加し、世界最大の綿花輸入国としての地位をさらに確固たるものにするという。
2016-17年度の輸入量は700万ベール(15.3万トン)が見込まれている。1ベールは480ポンド(218キログラム)に相当し、綿花の作物年度は8月1日から7月31日とされている。
国内生産では年間需要の3%しか賄えず、結果として30億ドル(3310億円)を超える輸入をもたらしている。
中国が国内ストック用の綿花の仕入れを止めたことにより、バングラデシュが最大輸入国に取って代わった。
バングラデシュは紡績や織物をいまだに未加工綿に大きく依存している唯一の国で、そのため国内の綿花需要は増大しつつある。
他の国はフィラメントやポリエステル、ビスコースレーヨンなどの人工繊維に移行しているため、世界全体での綿花消費量は近年減少している。
国際織物製造業者連盟によれば、現在の世界的な綿花と人工繊維の利用比率は28対72で、安価さや機能性、扱いやすさにより明確に人工繊維の方向に傾いているという。
だが、この比率はバングラデシュに当てはまらない。国内では糸や布地の90%以上が天然の綿花から製造されているからだ。
「綿花の消費は紡績側から増加しているため、我々は将来の傾向に関して楽観的です」
バングラデシュ綿花協会のメーディ・アリ事務局長は話し、糸と布地の需要は両者ともに年々増加していると補足した。国内に430カ所以上ある紡績工場ではニットウェア用糸の約90%、織物布地40%の供給が可能で、綿花消費量の更なる増加に貢献する。
「多くは最近の衣料品輸出の減速が綿花の消費に悪い影響を与えると考えるかもしれませんが、それは間違いです」
衣料品輸出は金額では減っているが、量は増えているとアリ氏。輸出量が増えている以上、綿花の消費も増えている。
2020年には国内の綿花消費量が790万ベールに達するだろうとアリ氏はいう。
現在バングラデシュは綿花需要の55%をインドからの輸入で賄っている。良心的な価格、地理的な近さ、納品時間の短さ、品質の良さがあるためだ。
「一つの国に依存しすぎることは良くないので、我々は代わりとなる取引先も探しています」
アリ氏は検討中の選択肢として、アフリカやオーストラリア、米国を挙げた。
今月のUSDAの報告書では、来る2017-18年度には世界全体の生産量と工場の稼働が両者ともに増加すると予測する。
コットン・インコーポレーテッド(米国)によれば、綿花収穫量は予測値の1億1320万ベール(2467万トン)を150万ベール(33万トン)上回る1億1470万ベール(2500万トン)になるとされる。世界全体での生産量の増加は主にパキスタンや中国、メキシコでの予測値の増加に伴うものだ。先週の先物市場では、綿花1ポンド(453グラム)が72セント(7.94円)から73.2セント(8.08円)で取引された。
バングラデシュニュース/The Daliy Star Jun 14 2017
http://www.thedailystar.net/business/cotton-import-the-rise-1419793
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #衣料品輸出 #綿花
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