献血者数の増加

献血者数の増加
近年、国内では自発的・直接的な献血が増えているが、それでも必要量には届いていない。

保健サービス総局の"安全な輸血プログラム(SBTP)"によれば、バングラデシュ国内で年間に必要となる血液は80万ユニットだが、昨年集まったのは70万ユニットだった。

関係者によれば、不足分は職業献血者によって補われ、その多くの場合、危険な輸血が行われている。

一方、関係者たちはここ数年で危険な輸血の割合は大きく減少したと主張している。

政府は2022年までに必要量の100%を自発的な献血で確保する目標を立てるが、自発的献血の割合は予定通りには増えていないという。

毎年6月14日は世界献血者デー。安全な血液や血液製品についての認識向上や献血者からの命を救う贈り物に感謝する行事が世界中で開かれる。

献血は無私の行いで、毎年数千人の命が輸血によって救われている。

ファリハ・タスニアさん(17)の事例を見てみよう。

ファリハさんは3歳の時にサラセミア(遺伝性の血液疾患)と診断された。それ以降、彼女は輸血で命を繋いでいる。

当初、ファリハさんの親族が血液を提供したが、今は献血者の血液に頼っている。彼女は年に36袋分の血液が必要だ。母親のマグフラ・ヌールさんは血液を集めることが困難だと、たびたび気づかされる。

「普通の人にとってはただの血が入った袋ですが、遺伝的な病気を持つ人たちにとっては命を意味します」
マグフラさんはいう。

「お金があれば欲しいものを何でも買えるかもしれませんが、血を買ったり作ったりはできません。ですから、献血者は神の恵みも同然なのです」

バングラデシュサラセミア協会によれば、国内でおよそ10万人のサラセミア患者がファリハさん同様、定期的に血液を必要としているという。

「ダッカにあるいくつかの民間あるいは違法の血液バンクがお金を払い、職業献血者から血液を集めていると思われます。農村部や緊急患者はたびたび彼らの被害者になります。しかし、今は状況が変わりました」
SBTPのシェイク・ダウド・アドナン副プログラム責任者は話す。

人々の間には、自発的な献血に対する認識がほどんどないとダウド氏。

「政府は啓発プログラムを立ち上げており、状況は改善されるでしょう。現在は30%ほどの血液が自発的献血で賄われ、残りは直接献血です」

SBTPの職員によれば、血液の多くは事故の被害者に必要だという。
「血液の供給量が不足しています。供給量不足による死亡が何件か報告されています」

世界保健機関(WHO)によれば、世界全体で毎年1億1250万ユニットの血液が集められるという。約半分が高収入国で集められたものだ。

74カ国では90%以上の血液を"自発的かつ無償の献血"で集めている。だが、71カ国は半分以上の血液を家族や有償の献血者から集めているという。

ジャハンギルナガール大学に通うラディブ・アル・アミンさんは誕生日の12日、市内の病院で1袋分の献血を行った。

「これまでに7回献血をしています。断食の後に病院で献血をしました。苦しんでいる人たちへの誕生日プレゼントです」
ラディブさんはデイリースターに話した。

バングラデシュ赤新月協会(BRCS)血液プログラム副責任者のタリク・メヘディ博士によれば、需要と供給の差はこの数年で大きく縮まり、血液収集量は日に日に増えているという。だが問題となるのは、多くの患者が必要な時に血液を得られないことだ。

BRCSは国内8カ所で献血活動を行っている。収集量は昨年が6万2千ユニット、2015年は6万1千ユニット、2014年は5万5千ユニットだった。

バングラデシュニュース/The Daliy Star Jun 14 2017
http://www.thedailystar.net/backpage/number-blood-donors-rise-1419814
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #献血 #職業献血者