外貨準備高の危機?

外貨準備高の危機?
銀行家らによれば、バングラデシュの外貨準備高の健全性が、輸入額の増加と送金収入の低下によって圧迫にさらされるという。

「輸入が輸出以上に増えているため、近々外国為替市場に大きな圧力がかかるかもしれません。送金収入もマイナスの領域にあります」
バングラデシュ銀行のある上級職員は話す。

6月14日時点の外貨準備高は327.3億ドル(3.61兆円)で、8カ月分の輸入支出を賄うことができる。

これ以前、国際通貨基金(IMF)がバングラデシュの外貨準備高が十分であるかについての疑問を投げかけ、安全な準備高の制限を輸入9.6カ月分とするよう提案した。

バングラデシュの主要な外貨獲得源である送金収入は今会計年度当初11カ月間で14%以上落ち込み、115.5億ドル(1.27兆円)となった。

米の輸入と世界的な石油価格の上昇により、バングラデシュの外貨はいずれ食べつくされるだろうと銀行家らは話す。

バングラデシュ銀行のデータによれば、今年度の当初11カ月間で輸入は14.11%、輸出は3.67%伸びたという。

その結果、2016-17会計年度7-4月期には経常赤字が17.5億ドルに拡大した。

機械資本の輸入が輸入増加の原因だ。2016-17年度7-4月期には信用決済状の発行数が19%増加した。

輸入支出の約10分の1が機械資本に対する支出であり、これは経済にとって恩恵となる。

民間銀行のある上級職員は、政府のメガプロジェクトによって機械資本の輸入が著しく伸びたと話した。

石油価格の上昇もバングラデシュの外貨準備高にとって脅威だという。

国際市場における原油価格は2016年3月時点で1バーレル(159リットル)30ドル(3310円)だったが、2017年3月には56ドル(6180円)に上昇した。

バングラデシュの主要な輸入品目には、機械や綿花、鉄鋼、石油等の鉱物燃料、プラスチック、プラスチック製品、自動車などが挙げられる。

バングラデシュ銀行は1-3月期の分析で、民間部門の信用取引や機械資本輸入の強い成長が国内需要の上昇を示しているとコメントした。

だが、送金収入のマイナス成長により、国内需要が損なわれる可能性があるともいう。

民間部門の信用取引成長率は4月末時点で5カ月連続の伸びとなる16.2%を記録し、バングラデシュ銀行が今会計年度下半期の目標として設定した数字に迫っている。

バングラデシュニュース/The Daily Star Jun 21 2017
http://www.thedailystar.net/business/tough-days-ahead-forex-reserves-1423351
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #経常赤字 #外貨準備高 #機械資本輸入