年末には100万人に

年末には100万人に
これは紛争による分裂で、ミャンマーのラカイン州からバングラデシュへ逃れるロヒンギャの無限の流れだ。

愛する家族を失った人もいれば、幸運にも家族と一緒に逃げることができた人もいる。

ナフ川を渡る20~25人乗りの1ダースほどのボートが一日中、シャウ・ポリ・ドゥイプに到着する。新しい到着者はボートを降り、コックス・バザール(Cox's Bazar)のテクナフ(Teknaf)難民キャンプに向かった。

ロヒンギャ武装勢力が警察署と軍基地を攻撃した8月25日以来、ミャンマー軍の反撃が激しくなり、何万人ものロヒンギャがバングラデシュに流入し続けている。
昨日、国際移住機関(IOM)のムハンマド・アブディケー・モハマド運営・緊急事態担当理事は、毎日1万~2万人の難民が到着し、この傾向が続くなら年末までに100万人に達する可能性があると話した。

新しく到着したロヒンギャは約40万人だという。

「難民の数が増えることをとても心配しています。2週間前、我々は約7~8万人だと話していましたが、昨日は約37万9千人になりました」
国連難民高等弁務官事務所とIOMが首都で開催した共同記者会見でモハマド氏は話した。

「政治的な解決策を見つけないかぎり、ロヒンギャコミュニティ全体がバングラデシュに来るかも知れません」

難民の数は急速に増えており、政府は食糧や避難所を確保することに苦労している。

「我々はロヒンギャの救済に追われています」
コックス・バザール県のMd・アリ・ホサイン県令は話す。そしてここ20日間で14のシェルターが設置されたと補足した。

「ロヒンギャは昼夜問わず到着してます。この2日間、難民の流れが増えたようです」
シャウ・ポリ・ドゥイプハリアカリ(Hariakhali)港の賃借人マウムド・シャリフさんは話す。

港には57隻のボートがあり、ほとんどがミャンマー側からロヒンギャを運ぶのに使われているという。

ソブロングユニオン議会のヌール・ホサイン議長は、シャウ・ポリ・ドゥイプ経由で到着するロヒンギャの流れは土曜から火曜にかけてやや減ったが、水曜日からまた増えてきたと話す。

ここ2日間でおよそ2万5千人のロヒンギャが、シャウ・ポリ・ドゥイプ経由で到着したという。

新しく到着したロヒンギャや地元の船頭たちは、バングラデシュに入るため、5~6万人のロヒンギャがナフ川の対岸で待っていると話した。

18カ月の娘を抱えた20歳のロヒンギャ女性シャヒナさんは4日前、ラカイン州ガルザニア村の自宅から逃げてきたという。4日間、丘と森を歩いた後、昨日の朝、シャウ・ポリ・ドゥイプに到着した。これからテクナフ港へ向かうという。

シャヒナさんはほとんどすべての家族を失った。ミャンマー軍によって夫を失い、バングラデシュへ来る間に2人の息子を失った。

「私はミャンマー軍に捕らえられ、持っていたものすべてを奪われました。彼らは私にバングラデシュに行くように言いました」

シャヒナさんは3日前にバングラデシュに着いた叔母と叔父を探していた。

ロヒンギャ農家のハビブル・ラーマンさんは息子の力を借り、歩くことが困難な90歳の父親を連れていた。

「私たちは9日前に家を出ました。しかしナフ川を渡る船賃がなかったため、バングラデシュに直接来ることはできませんでした」

彼らはジャングルに隠れ、家から持って来たもの売った。

40歳の農家は船賃としてそれぞれ7000ミャンマーチャット(420タカ:574円ほど)を支払ったという。

シャウ・ポリ・ドゥイプやテクナフ国境地帯では、正午から午後4時頃までミャンマー側で煙が上がっているのが見えた。

新しく到着した複数のロヒンギャは、ミャンマー軍がナフ川沿いのロヒンギャの家に火を付けたと話した。

シャウ・ポリ・ドゥイプに到着したロヒンギャに対し、多くの地元住民がドライフードや経口食塩水や現金を提供していた。

ロヒンギャ難民にお金を配り、ボートを手配している人もいた。。

【より多くの支援が必要】

水曜日、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)高等弁務補佐官のオコス・オッボ氏とIOMのモハマド理事はコックスバザールのロヒンギャキャンプを訪れ、難民に対するバングラデシュの支援を賞賛した。

だが、多数の難民による救命援助の必要性へ懸念を表明した。

「ロヒンギャはどんどん増えています。傷を負い、虐げられ、疲弊しています。彼らの多くは屋根のないところで過ごしています」とモハマド氏。

そして、ロヒンギャ難民は緊急に食料、水、薬、避難所の必要があると補足した。

「すべてを失った人たちがいます。両親とはぐれた子どもたちです。彼らは保護が必要です」とオコス・オッボ氏。

「病気の流行などのリスクを抱えている可能性があります。そのとき、超緊急事態となるでしょう」

昨日の声明でユニセフは、難民の数が現在の収容所を超えるため、新しい避難民はどこでもいいから避難所を求めていると述べた。

「地面の状況によっては子どもたちは水派生の病気になるリスクが高い。とても脆弱な子どもたちを保護するため、途方もない任務に取り組んでいる」

先週、国連機関は、約30万人のロヒンギャの即時救命援助として7710万ドル(85億1107万円)が必要だと見積もった。

「毎日難民の数は増えているため、数字は大幅に改訂されなければならないでしょう」
オコス・オッボ氏は話す。

「増え続ける難民が我々を圧倒してます」

国際社会からの対応が十分であるか尋ねた。オッポ氏は援助は入って来るがまだまだ不十分だという。

「国際社会が支援を強化してくれるよう要請します」

コックス・バザールのロヒンギャ危機に対処する様々な機関の調整について、バングラデシュ政府がリーダーシップの立場にあると話した。

「政府を支援するために私はここにいるのです」
オコス・オッポ氏は補足した。

バングラデシュニュース/The Daily Star Sep 15 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/mayanmar-rohingya-refugee-crisis-endless-influx-1m-year-end-predicts-iom-1462321
翻訳:松本
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