【The Daily Star】ヌール・ベグムさん(55歳)は息子と娘を引き連れて、ミャンマーのマウンドー(Maungdaw)からバングラデシュへやってきた。彼女は夫が殺されるところを目撃し、逃げる人波の中で娘たちとはぐれた。家も希望もない中、彼女はコックスバザール(Cox's Bazar)-テクナフ(Teknaf)道路のグンドゥム(Gundum)近くの仮設テントに休息場所を見つけたが、天気は思い通りにならなかった。
ロヒンギャの家族数百世帯がヌールさんと同じ仮設避難所で生活していたが、継続的な雨で近くのウキアガートカールの水位が上がって一帯が水没し、難民たちは移動を余儀なくされた。
「私は家を離れてここへ来ました。今、ここでまた家を失いました」
ヌールさんは話す。
雨は昨日から降り続いた。夕方には水位が上がり始め、膝まで水が来た。水の流れが強いため、難民の持ち物が流される恐れがある。
「私も子どもたちも一晩中荷物を持って立っていました。全く眠れませんでした」
ヌールさんは夜明け前に話した。
この一帯では多くの家族が夜明けとともに退去を始め、再び落ち着ける場所を求めて丘を目指した。
雨季の雨はコックスバザールやテクナフ一帯を覆い、この地域にいる数千人のロヒンギャ難民の問題を複雑化させた。
降りしきる雨の中、通りがかった車が助けてくれるという希望を抱いて、多くの女性が子どもと共に道端に立ち続けている。
昨日、女の子を出産したばかりのライラ・モティさんは土砂降りの屋外にいた。赤ちゃんは幾重にも重ねられた毛布の下で休んでいたが、その毛布もずぶ濡れになりつつある。彼女はボグナ(Baghuna)に新設された医療キャンプの列に並び、ぬかるみに座っていた。目はひどい痛みで十分に開かない。
「薬を求めて妻と赤ん坊を連れてここに来ました」
ライラさんの夫、サイエド・アジムさんは話す。
難民を特定の場所に移動させるより救援物資の支給を改善しようする政府にとって、難民そのものだけでなく、雨がさらなる悩みの種だ。
救援隊員らによれば、移住の取り組みで救援物資の支給における混乱は減ったものの、もっと多くの事をする必要があるという。
Rohingya refugees cross a submerged footbridge across a canal at Balukhali in Ukhia yesterday. They moved to a new place after their makeshift shelters were flooded due to rain and high tide. Photo: Pinaki Roy
道端のキャンプは殆どが撤去されたが、そこから流れてきた難民は高地を求めて森林に覆われた丘陵地帯に住居を設けた。最近になってやってきた人々は、ボルカリ(Balukhali)やボグナの以前は人の住んでいなかった区域に移住しつつある。
コックスバザールハイウェイから150メートルほど離れた森林地帯には、以前の住処を手放した難民たちによって新しい住居が建てられている。
レズアームトリパラ(Rezu Aamtoli para)やロムバビール(Lomba Beel)、アンジュマンパラ(Anjuman Para)、シャーポリドゥイプ(Shah Pori Dwip)の地元住民によれば、悪天候で新たな難民がほぼ入ってこないと思われた2日前でさえ、1日に100人以上が国境を越えてバングラデシュに入ってきたという。
ナフ川の荒れ模様やレベル3の警戒信号で、ロヒンギャは国境を越えることを阻まれた。
一方、緊急行動隊(RAB)はコックスバザールの複数の場所で合わせて210人のロヒンギャを発見・拘束した。彼らは直ちにボルカリ難民キャンプに送られる。
Bangladesh News/The Daily Star Sep 20 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/mayanmar-rohingya-refugee-crisis-rains-heap-further-woes-refugees-1464637
翻訳:長谷川
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