HIV拡散の懸念強まる

【The Daily Star】HIV/エイズに感染していると診断されたロヒンギャが増えていることを受け、コックスバザール(Cox's Bazar)県の保健所は難民キャンプでHIV拡散を懸念している。

現在まで19人の感染が確認された。その多くは男性だ。コックスバザール市民病院によると、8月25日にロヒンギャの流入が始まってから患者1人が死亡したという。

バングラデシュでは以前からすでに30万人以上のロヒンギャを収容していたが、さらに50万人以上がミャンマーラカイン州の暴力から逃れてきた。難民はコックスバザールの混雑したキャンプで生活している。

コックスバザール中央病院の駐在医療官シャヒーン・モハンマド・アブドゥール・ラーマン・チョウドリー氏によれば、16人のエイズ患者が治療を受けているという。

チョウドリー氏はデイリースターに対し、保健省では患者の数が増えていることを受け、HIV患者判定用キット300個をウキア(Ukhia)とテクナフ(Tekhaf)郡で配布したという。医師や看護師、病理学者、助手がキットの使用方法や安全対策に関する訓練を受けているとチョウドリー氏は補足した。

国連エイズ合同計画(UNAIDS)によれば、ミャンマーで生活している人のうち23万人がHIVに感染しており、7800人が感染症で死亡したとされる。ミャンマーは新たなエイズ感染が発見された35カ国のうちの1つだ。

ウキアの国際機関で働く婦人科医(匿名希望)は、実際はもっとひどいだろうと話す。

「現場レベルでは、HIV患者を見つけるための仕組みが何もありません。HIVの兆候がある患者は確認のため、県の病院を紹介しています」

HIV陽性の患者は少ないように見えるが感染拡散のリスクは非常に高い。直ちに措置を取らなければHIVが急速に拡散するとの懸念を婦人科医は示した。

難民キャンプで活動する保健職員によれば、ロヒンギャの大部分は予防接種を受けておらず、免疫系統が比較的弱いという。加えて、ロヒンギャの衛生習慣は水準に達しておらず、その多くが"危険を伴う性行動"を続けている。

ウキア郡保健・家族計画担当官のミスバー・ウディン・アーメド氏によれば、氏の勤める病院では6人のロヒンギャがHIV陽性の判定を受けたという。

「ミャンマーはHIV/エイズが風土病となっている国のひとつです。ロヒンギャも例外ではありません。何人のロヒンギャがHIVに感染しており、そのうちの何人がバングラデシュに入ってきたかはわかりません」

アーメド氏によれば、氏の病院に患者が搬送されてきた場合、HIV検査を実施しているという。

「HIV陽性患者や感染しやすい患者を発見するため、我々は様々な措置を取りました。状況はまだ制御可能です」
コックスバザールの医師アブドゥス・サラム氏は話す。

保健サービス総局のアブル・カラム・アザド局長によれば、国内のHIVプログラムによるチームが既にコックスバザールに滞在し、HIV患者の発見に当たっているという。

「患者が見つかり次第治療を施します。(中略)HIV発見を目的とする集団検診は行いません。必要ではないからです。HIVに感染しやすい患者だけを検査します」

保健省によれば、バングラデシュで現在までにHIV陽性が確認された人数は4143人で、世界で最も少ない部類に入るとされる。死亡患者数は658人だ。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 11 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/mayanmar-rohingya-refugee-crisis-fear-hiv-spread-grows-1474582
翻訳:長谷川
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