【The Daily Star】昨日、バングラデシュ統計局(BBS)が発表した家計収入・支出調査(HIES)予備調査によると、農村部に暮らす人は毎月、収入以上に支出するという。
5年ごとに発表されるBBSの中核報告の一つHIESでは、2010年から2016年にかけて、一世帯当たりの毎月の支出が増加したことを示した。
この間、一月の一世帯当たり収入は39%、支出は40%増加した。
プロジェクトリーダーのディパンコール・ロイ氏が発表した最新のHIES調査によると、2016年、農村部の月収入は1万3353タカ(1万8522円)、月支出は1万4516タカ(20136円)だった。
HIES2016はHIES2010のサンプル世帯のほぼ4倍、4万6076世帯を対象に行われた。
HIES2016調査は、2010年の農村部世帯の月支出9612タカ(1万3333円)が、2016年には47%増加したことを突き止めた。
一方、農村部世帯の月収入は6年間で38%増加し、2016年は13353タカに増加した。
世界銀行ダッカ事務所のリードエコノミスト、ザヒード・フセイン氏は、収支不一致の背景に送金の不振がある可能性を指摘した。
かつて送金で生活水準が向上した人は、2016年から17年に送金が枯渇したときも経費を削減することができなかったようだ。
その一部は支出削減に失敗した後、貯金を取り崩したり、借り入れに頼った可能性があると、フセイン氏は補足する。
都市部と農村部、両世帯の毎月の支出は、2010年から2016年にかけての支出よりも高かった。ロイ氏は結婚、事故、その他のことが原因の可能性が高いと指摘する。
BBSは耐久財購入、税金、保険、ハッジのような巡礼費、結婚などの過重支出を除いた支出で見積もったという。だが、支出にはすべての費用が含まれる。
2010年から2016年にかけて、都市部世帯の月収入は37%増加して2万2565タカ(3万1300円)、月支出は27%増加した。
HIES2016は年間貧困データと共に初めて四半期推定データも示した。また、バングラデシュの人口1億6千万人全体の生活水準を示した。
2010年に31.5%だった貧困率は2016年24.3%に低下した。同時期極貧率は17.6%から12.9%へ低下した。
AHM・ムスタファ・カマル計画相は、バングラデシュの極貧率は世界平均を下回ったと話す。2016年、世界の極貧率は13.8%だったという。
「しかし自己満足になってはいけません。私たちは計画通り進歩を遂げなければなりません」
政府は2030年までに極貧を解消することを目指している。
世界銀行バングラデシュの国内ディレクター代理のラジャシュリ―・ポロルコル氏は、貧困減少の進展を賞賛した。2010年以来、約800万人が貧困から逃れたという。
HIES 2016は貧困に苦しむ人口割合が農村部と都市部両方で減少していることも突き止めた。
だが、64県中31県の極貧層の割合は全国平均の12.9%より高い。
また、64県中36県の貧困層の割合は全国平均の24.3%より高い。
クリグラム(Kurigram)県の貧困層数は70.8%で最も高く、ナラヨンゴンジ(Narayanganj)県は2.6%と最も低い。
最新のHIESはロングプール(Rangpur)を除くすべて管区で貧困が減少したことを突き止めた。
モンガの名で知られる季節的飢饉を受ける北西部管区(ロングプール)の貧困率は、2010年の42.3%から2016年には47.2%と増加した。同時期、極貧率も上昇した。
ロングプールに次いでマイメンシン(Mymensingh)管区の貧困率が2位、その後ラジシャヒ(Rajshahi)、クルナ(Khulna)、ボリシャル(Barisal)、チッタゴン(Chittagong)、シレット(Sylhet)、ダッカ(Dhaka)と続く。
新たに出来たマイメンシン管区の32.8%が貧困に苦しんでいる。ダッカ、シレット、チッタゴンの3管区の貧困率だけが全国平均を下回る。
ロイ氏はロングプール管区は2010年のHIESで、ラジシャヒ管区より下位に位置したという。
「その時点でロングプール管区のサンプルが十分でなかったのです」
歴史的に見て、ロングプール管区は貧困削減で他の管区に後れを取っていると、バングラデシュ開発研究所のKAS・ムルシド所長は指摘した。
「私たちはもっと地域の発展に注意を払わなければなりません」
Bangladesh News/The Daily Star Oct 18 2017
http://www.thedailystar.net/business/rural-people-live-beyond-their-means-survey-1477939
翻訳:吉本
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