【The Daily Star】バングラデシュは、ミャンマーがラカイン(Rakhine)州で暴力を受けて避難した自国民の連れ戻しを開始することの快諾を待っている。25日夜、ミャンマーから帰国したアサドゥッザマン・カーン・カマル内相が話した。
ハズラト・シャージャラル国際空港で取材に応じた内相は、ロヒンギャの本国送還を早期に実施するようミャンマー側に呼びかけたという。
ミャンマーの事実上の指導者アウン・サン・スー・チー国家顧問はこれに先立ち、ミャンマーはロヒンギャの連れ戻しに取り組み始めたと内相に伝えていた。
内務省広報官のシャリフ・マームード・アプ氏によると、スー・チー氏は25日、首都ネーピードー(Naypyidaw)の事務所で内相と会談したという。
「ミャンマー政府はコフィ・アナン委員会の勧告内容の実施にも取り組み始めました」
シャリフ氏はスー・チー氏が内相に伝えた内容を明らかにした。
3日間のミャンマー訪問で内相は、ロヒンギャ流入など様々な二国間問題について議論を行った。ロヒンギャ危機は最も急速に拡大する難民危機と称されている。
軍による残忍な弾圧が引き金となり、8月25日以降、60万人以上という過去に例のない規模でロヒンギャが国境を越えてきた。これに加え、1992年以降、数度に分けておよそ30万人の難民が流入している。
スー・チー氏の"約束"は、カマル内相がミャンマー内相のチョー・スー中将と会談し、11月30日までに合同作業班を結成して本国送還の手続きを開始することに双方が合意した翌日になされた。
ミャンマー内務省のティン・ミント事務次官は水曜日の会談後記者団に対し、双方が"ミャンマー居住者のバングラデシュへの流出を止める"ことに合意したと明らかにした。
ティン氏によれば、さらに両国は"ラカインに正常な状態を取り戻し、住み場所を追いやられたミャンマー居住者が可能な限り早い機会に、バングラデシュから戻って来られるようにする"ことにも合意したという。
バングラデシュ側代表団の15人に名を連ねていたシャリフ氏によれば、本国送還はコフィ・アナン委員会の勧告とシェイク・ハシナ首相が国連総会で提示した5項目の提案に基づいて実施される。
だが、本国送還がいつ開始するかは明らかにされていない。
ミャンマー日刊紙"イラワジ"は25日、ミャンマーとバングラデシュは24日、ラカイン州に安定を取り戻すために協力することで合意したが、難民の本国送還については合意にこぎつけられなかったと報じた。
「バングラデシュは可能な限り早くの本国送還を望んでいます。ですが我々は一歩ずつ進み、本国送還のための合同作業班を結成します」
イラワジ紙はミャンマー外務省のU・チョー・ゼーヤ事務次官が記者団に伝えた内容を引用した。
カマル内相は25日の会談の際、スー・チー氏をバングラデシュへ招待した。スー・チー氏はこれに対し、"両国にとって都合のいい時期に"訪問すると答えた。シャリフ氏がデイリースターに明かした。
さらに、バングラデシュのテロリズムに対する無寛容政策をスー・チー氏に伝え、ダッカ(Dhaka)は一切のテロリストがバングラデシュに留まることを許さないと約束した。
バングラデシュに入ってきた人々が速やかに連れ戻されない場合、彼らがテロリズムに関与し、両国では制御できない状況に陥る可能性があることも話したという。
また、ミャンマーから違法薬物ヤバの密輸と、それによるバングラデシュへの恐ろしい影響についてもスー・チー氏に伝えた。
スー・チー氏は内相に対し、ミャンマーがヤバ密輸防止のための措置を講じることを約束したという。
Bangladesh News/The Daily Star Oct 26 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/rohingya-refugee-crisis-myanmar-govt-working-take-back-refugees-1481908
翻訳:長谷川
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