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【Financial Express】新型コロナの新たな波を受け、南アジアの経済見通しは損なわれているが、バングラデシュ経済は回復している。アジア開発銀行(ADB)は述べた。
ADBは、先週20日に発表した「アジア発展見通しレポート」の補足資料で、21会計年度当初11カ月間における輸出は前年比13.6%増、送金は39.5%増加したと指摘した。
国家歳入庁(NBR)による徴収額も、1~10月期は前年同期比12.9%増となった。
一方、パンデミック第2波抑制のために4月初旬から始まったロックダウンにより、その後のビジネスは混乱しているとした。
レポートは、新たな波が南アジア経済に及ぼす悪影響は「限定的であると予想される」とする。1年前に比べ、企業や消費者はパンデミックや封じ込め策に適応できるようになっているからだ。
2021年の南アジアのGDP成長率予測は、当初の9.5%から8.9%に下方修正されたが、2022年については6.6%から7%に上方修正された。
また、インフレ率予測は、主にインドの予測が高くなったことを反映して、5.5%から5.8%に引き上げられたが、2022年は5.1%に据え置かれた。
21会計年度のバングラデシュのインフレ率は、国内需要の低迷により非食品インフレ率が早い段階で鈍化したため、当初11カ月間の平均は5.6%となり、通年予測の5.8%をわずかに下回った。
アジアの発展途上国では全体として回復傾向が続いている。だが、新型コロナウィルスの新しい亜種の影響もあり、複数の国で成長の足が引っ張られている。
今回のパンデミックは南アジアおよび東南アジアの多数の国や、太平洋地域のパプアニューギニアやフィジーにまで影響を及ぼした。対照的に東アジアでは、ウイルスはほぼ制圧されている。
多くの国でワクチン接種は進んだが、アジアの発展途上国では集団免疫獲得にはまだほど遠い状況だ。6月末時点で100人中41.6人と、世界平均の39.2人をわずかに上回るが、米国の97.6人、EUの81.8人を大きく下回っている。
同じアジアでもワクチン接種の進捗状況は国によって大きく異なる。中国や複数の小国では100人あたり50人以上の接種を完了しているが、ほぼ半数の国では15人に満たない状況となっている。
Bangladesh News/Financial Express Jul 24 2021
https://thefinancialexpress.com.bd/economy/economic-outlook-for-south-asia-dampened-but-bangladesh-recovering-adb-1627053448
翻訳編集:吉本