
【The Daily Star】国内衣料品メーカーの主な輸出先である欧米小売店やブランド店の再開を受け、業界への仕事の受注が大きく回復している。
国内サプライヤーは、9~3月にかけて生産される次期サマーシーズン向けの輸出量が20~30%増加すると見込んでいる。
「バングラデシュで生産される衣料品の性質上、通常、ウィンターシーズンよりサマーシーズン向け衣料品の発注が多くなります」
ナラヨンゴンジ(Narayanganj)に拠点を置くファキル・アパレル(Fakir Apparels)のボクティア・ウディン・アーメド最高執行責任者は述べた。
バングラデシュは、主に夏や暖かい冬に着用するニットウェアや織物生産に強みを持っている。
ファキル・アパレルの毎月の輸出額はこの1年間、1千万ドル~1100万ドル(10.98~12.08億円)の間で推移している。だが、9月からは1300万ドル~1400万ドル(14.28~15.38億円)になると、アーメド氏は予想する。
工場では主に室内で着用する着心地の良いニット製品を輸出する。コロナパンデミックで室内で過ごす時間が増えたため、織物製品より需要が高まったからだ。
一方、バングラデシュ産製品の価格が安いため、ミャンマーや中国から仕事が移ってきた。欧米のバイヤーの多くは、世界第2位の経済大国である中国の生産コストが上昇しているため、バングラデシュやベトナムに仕事を移行させている。
ナラヤンガンジのカッパ・ファッション・ウェア(Kappa Fashion Wear)は、来シーズンに向けて、これまでより25%近く多い注文をバイヤーから受けた。
同社は主にTシャツやポロシャツを出荷するが、パンデミック前は毎月10億タカ(12.9億円)を輸出していたものが、現在は月に7億5千万タカ(9.67億円)となっていた。
「しかし現在、事業は回復しつつあります」
同社のアーメド・ファズルル・ラーマン会長は述べた。
バングラデシュ衣料品製造輸出業者協会(BGMEA)のファルク・ハッサン会長は、国内メーカーがパンデミック中も海外の小売業者やブランドに商品を供給したことで、バングラデシュに対する信頼が回復したという。
「世界のアパレルサプライチェーンが正常に戻ったことで、受注量が増加しています」
バングラデシュニットウェア製造輸出業者協会(BKMEA)のモハンマド・ハテム筆頭副会長は、受注があまりにも多いため、高価格の提示がない一部のバイヤーの注文を断っているほどだと述べた。これはバングラデシュでは珍しいことだという。
受注の増加は、糸の需要を押し上げる。
衣料品輸出と糸の生産を行う大手バイエラテックス(Viyellatex)グループは、1年前には1日に30トン程度の糸を販売していた。
「現在の販売量は約90トンで、国際的な注文が大幅に増加していることを示しています」
同グループのKMレザウル・ハサナット会長兼CEOは述べた。
大手紡績会社で衣料品輸出会社のマレク紡績(Malek Spinning Mills)のAモティン・チョードリー社長は、来年のニットウェアの受注が15%以上増加したという。
昨年度の輸出は2億800万ドル(228.4億円)だったが、今年度は2億4千万ドル(263.5億円)にすることを目標にしている。
バングラデシュ繊維工場協会(BTMA)のモハンマド・アリ・ココン会長によると、「スティ・ホーム」という消費者の行動変化により、ニット製品の需要は世界的に22%増加したという。
それに伴い、綿糸の需要も増加した。国内衣料品メーカーの注文も増えている。
「これは、国際的な小売業者やブランドが、バングラデシュへの仕事の発注量を増やしていることを示しています」
衣料品出荷による収益はここ数カ月で改善した。輸出促進局(EPB)のデータによると、国内輸出の約85%を占める衣料品業界は、7、8月の2カ月で56.4億ドル(6193.2億円)の収益を上げた。
Bangladesh News/The Daily Star Sep 7 2021
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/apparel-orders-staging-strong-comeback-2170196
翻訳編集:吉本