[Financial Express]ロンドン、10月27日(ロイター):市場の予測が正しければ、インフレ調整後の欧州中央銀行(ECB)の金利は来年半ばまでにマイナスに戻る可能性があり、ゼロ政策金利への回帰を今すぐ否定することはできない。
先週の今年3回目の利下げ後、ECBの緩和期待の土俵は再び動いたようで、総合インフレ率は少なくとも目標の2%を大きく下回っている。
国際通貨基金(IMF)は今週、来年のユーロ圏の成長率予想を再び1.2%に引き下げた。ドイツの苦境がユーロ圏全体の運命を圧迫する中、1月時点より0.5ポイント低い水準で、ECB自身の1.3%見通しも下回っている。
そして現在、ECB当局者は、インフレ率が2%の目標を継続的に下回った場合にどう対処すべきかを議論している。
欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁らは公には慎重姿勢を訴えているものの、中央銀行が今後経済刺激策を開始する必要があるかどうかについての議論は内部で進行中のようだ。
イタリア中央銀行総裁ファビオ・パネッタ氏は今週のIMFのイベントで「デフレーションのペースと実体経済の弱さを考えると、中立金利で止まらなければならないとは考えていないし、中立金利を下回る可能性も排除できない」と語った。
金融市場はすでに反応を示しており、来年末のECB政策金利の見通しをここ数週間で0.5パーセントポイント引き下げて1.7パーセントとした。これは、同時期に米連邦準備制度理事会(FRB)の同等金利が約0.5ポイント上昇したのとは対照的だ。
今月のユーロ/ドル為替レートの4%の下落は、そのような環境下では驚くべきことではない。
しかし、2025年7月以降に1.75%以下という市場金利の想定が正確であれば(現在の設定より150ベーシスポイント低い)、ECBはそれまでの間、毎回の会合で0.25ポイントの利下げを行わなければならないだろう。
あるいは利下げ規模を拡大し、今後の会合で50ブプの利下げを行うとの議論が再燃することになる。
そして驚くべきことに、ECBが来年インフレ率が2%に戻ると予測したとしても、そのシナリオ全体における「実質」政策金利は、過去10年間の大半で低迷していたマイナス金利水準に戻り、プラス圏にあったのはわずか20か月後となる。
ここで状況はより不透明になるが、パンデミック後の「より長期間の高金利」に対する懸念を考慮すると、その深刻さは変わらない。
総合インフレ率が来年まで現在の1.7%前後の水準にとどまるとすれば(1年物インフレスワップが示唆していると思われる)、市場金利の見通しでは7月までに「実質」金利がゼロになるだけとなる。
しかし、ECBの推定では「自然利子率」(経済活動を圧迫も刺激もしない理論上の利子率)がゼロとされているが、経済刺激策に関する議論は、実際の政策金利が現在の市場価格よりもさらに低くなる必要があるかもしれないことを示唆している。
それに関連するあらゆる条件にもかかわらず、実質金利が中立水準を下回ると、ECBの政策金利設定は1~1.5%まで低下する可能性がある。
しかし、中立金利をめぐる理論的な頭を悩ませる問題ではよくあることだが、具体的な推定はなく、ECB自身がどう考えるかを推測するだけだ。
ECBの研究者らは今年、パンデミックショックにより労働市場、供給混乱、経済の余剰、積極的な財政政策に関する多くの想定が覆されて以来、一部の中立金利モデルが完全に更新されていないと指摘している。
Bangladesh News/Financial Express 20241028
https://today.thefinancialexpress.com.bd/stock-corporate/europes-return-to-zero-rates-1730048374/?date=28-10-2024
関連