中国、米国農産物輸入からの転換で貿易戦争リスクに対抗

[Financial Express]北京/シンガポール 11月1日(ロイター) - 中国は2018年以来、食料輸入源の転換を進めており、米大統領選後に米国との貿易摩擦が激化した場合、食料安全保障への悪影響を抑えつつ、米国農産物に報復関税を課す上で有利な立場にある。

大豆やトウモロコシなど農産物の世界最大の輸入国である中国にとって、貿易戦争の脅威が迫っており、共和党候補のドナルド・トランプ氏は米国の製造業の活性化を目指して中国製品に一律60%の関税を課すことを検討している。

対立候補の民主党員カマラ・ハリス氏も貿易問題で中国と対立するとみられる。

トランプ大統領がホワイトハウスに就任して以来、中国は食糧自給率を含む国家安全保障を強化するための協調的な取り組みの一環として、米国農産物への依存を大幅に削減してきた。

この転換は2018年に始まった。当時、中国政府はトランプ政権が中国製品3000億ドル相当に課した関税への報復として、米国産大豆、牛肉、豚肉、小麦、トウモロコシ、モロコシの輸入に25%の関税を課した。

トランプ大統領と当時の劉副首相が2020年1月に協定に署名し、中国政府が農産物を含む米国の製品やサービスの購入を増やすことを約束していたにもかかわらず、この動きは世界の農業貿易の流れの再編につながった。

その代わりに、中国は国内生産を増やしながらも、米国からの購入を減らし、ブラジル、アルゼンチン、ウクライナ、オーストラリアからの穀物購入を増やしている。

北京に拠点を置くコンサルタント会社トリビアム・チャイナの農業アナリスト、イーブン・ペイ氏は「大規模な紛争が起こった場合、米国の中国の食糧安全保障に対する影響力が弱まると分かっているので、北京ははるかに安全だと感じている」と語った。

「この削減は計画的なもの」と彼女は語った。

中国税関データによると、今年、中国の米国産大豆輸入の割合は2016年の40%から18%に減少し、一方でブラジルのシェアは46%から76%に増加した。

トウモロコシに関しては、中国政府が南米の農業大国からの購入を承認してからわずか1年後の2023年にブラジルが米国を抜いて中国の最大の供給国となった。

一方、中国の畜産会社は輸入大豆への依存を軽減する動きとして飼料への大豆粕の使用を減らしており、北京は生産量を増やすため遺伝子組み換え大豆やトウモロコシの品種を承認している。

中国農業省はコメント要請に直ちには応じなかった。

トランプ大統領の報道官は、中国の米国農産物輸出への依存度の低下については直接コメントしなかったが、関税は「美しい言葉」であり、「我々は数千億ドルを国庫に取り込み、その資金を米国民の利益のために使う」とのトランプ大統領の発言を指摘した。

ハリス氏の選挙運動ウェブサイトには、民主党候補は「米国労働者を弱体化させる中国やいかなる競争相手による不公正な貿易慣行も容認しない」と書かれている。

買いだめ

トレーダーやアナリストらによると、選挙後の緊張を予想して、中国の買い手は米国産大豆やトウモロコシを含む農産物の輸入を増やしている。


Bangladesh News/Financial Express 20241102
https://today.thefinancialexpress.com.bd/trade-commodities/china-pivot-from-us-farm-imports-bolsters-it-against-trade-war-risks-1730479926/?date=02-11-2024