「誰も私たちのことを気にかけない

[Financial Express]ガザ、11月2日(AFP):パレスチナ系アメリカ人の起業家ジャマル・ザグルルさんは、占領下のヨルダン川西岸地区でオリーブの収穫期の終わりにオリーブ搾り機のそばに立っていたが、彼の心は米国大統領選挙のことなど遠く離れていた。

トゥルマス・アヤに住む他の米国パスポート保持者(多数派を占める)と同様、彼もこの投票がこの地域に変化をもたらすかどうか懐疑的だった。

「ここには問題がある。(米国では)誰も私たちのことを気にかけていない」と50代のビジネスマンは語った。

1967年以来イスラエルが占領しているヨルダン川西岸での暴力は、2023年10月7日のハマスによる前例のないイスラエルへの攻撃後にガザ戦争が勃発して以来、激化している。

ザグルル氏は、パレスチナ人とイスラエル人の間の取り決めを定めた画期的なオスロ合意が政権下で調印されたビル・クリントン元米大統領を懐かしそうに語った。

「今回こそ、我々は変化を始める必要がある。別の政党、独立した政党が必要だ」とザグルル氏は語った。「他の政党は我々を助けていない」

同じく二重国籍のバシム・サブリ氏は、「8年間の悲惨な政権」に抗議して第三党の候補者に投票する予定だ。

ミネソタ州在住でヨルダン川西岸北部出身の同氏は、現ホワイトハウス長官ジョー・バイデン氏について遠慮なく発言し、同氏を「戦争犯罪者」と呼んだ。

彼はバイデン氏の前任者で現在の共和党候補ドナルド・トランプ氏についても同様に批判し、「狂人、人種差別主義者」と呼んだ。

サブリ氏は、今回の大統領選挙でほぼ全ての激戦州で投票用紙に名前が挙がっている緑の党の常連候補、ジル・スタイン氏に投票すると述べた。

スタイン氏は2012年と2016年に立候補したが、それぞれわずか0.4%と1%の票しか獲得できなかった。ガザ戦争に深い衝撃を受けたサブリ氏は、米国が平和に向けてさらに努力してくれることを期待している。

「イスラエルは、戦争を止め、イスラエルを非難するという世界の大多数の決定を拒否権で否決している世界で唯一の国だ」と彼は語った。イスラエルの公式統計をAFPが集計したところによると、昨年のハマスによるイスラエルへの攻撃で1,206人が死亡し、そのほとんどは民間人だった。

国連が信頼できるとみなすハマスが統治するガザ地区の保健省の数字によれば、イスラエルの対応によりガザ地区で4万3259人のパレスチナ人が死亡し、その大半は民間人だという。

年に数回トゥルマス・アヤに戻るカリフォルニア州在住のオデ・ジュマさんは、イスラエルに対する米軍の支援を厳しく指摘した。

「パレスチナ人として、パレスチナやウクライナでの世界的な戦争の終結といった私たちの懸念が、政治家自身の選挙の利益のために無視されていると感じている」と彼は語った。

ジュマ氏は選挙当夜の報道を見る予定だったが、投票はしなかった。「今投票しなければ、将来の選挙でアラブ人、パレスチナ人、イスラム教徒の声が重要になるだろう」と同氏は語った。

2022年の国勢調査によると、米国には約17万2000人のパレスチナ系アメリカ人がおり、その多くはミシガン州やペンシルベニア州などの激戦州出身者である。

何千人ものパレスチナ系アメリカ人がヨルダン川西岸に暮らしているが、今年、アメリカ人1人と二重国籍者2人が殺害され、この地域は大きな衝撃を受けている。


Bangladesh News/Financial Express 20241103
https://today.thefinancialexpress.com.bd/world/nobody-cares-about-us-1730562608/?date=03-11-2024