国境を越えた課題が欧州と米国の富の格差を拡大

[Financial Express]ブリュッセル 11月14日 (ロイター) - 国際通貨基金(IMF)の調査によると、国境を越えた課題により、1990年代以降進歩を続けてきた欧州と米国の生産高の格差が拡大している。

IMFの調査によると、購買力平価で測った欧州連合(EU)の一人当たりGDPは現在、米国の約72%となっている。

IMF欧州局長アルフレッド・カマー氏は「この格差の70%は生産性の伸びの低下によって説明できる」と述べた。

同氏は、欧州の生産性が米国よりも緩やかに成長したのは、両市場の規模は同程度であるにもかかわらず、欧州の市場は極めて細分化されており、米国には存在しないEU27カ国間の貿易障壁があったためだと述べた。

「そのため、企業はより大規模な欧州市場ではなく国内市場をターゲットにしている。彼らは実際には、その大きな市場を利用できる規模を検討しておらず、規模が重要なのだ」とカマー氏は語った。

同氏は、EU諸国間の貿易障壁が米国各州間の水準まで引き下げられれば、欧州の生産性は7パーセントポイント上昇するだろうと述べた。

2つ目の障害は、資本移動のための統一市場が欠如していることで、これによりEU企業は株式発行による資金調達において米国企業に比べて不利な立場に置かれ、銀行融資に頼らざるを得なくなった。

欧州のテクノロジー企業は、主な資産が知的財産とアイデアであるため、銀行が融資に要求する従来の物理的な担保を持っていないことが多い。

こうした企業は通常、リスクを負うベンチャーキャピタル企業から資金提供を求めるが、欧州ではこうしたベンチャーキャピタルは未発達である。


Bangladesh News/Financial Express 20241115
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