果物を洗う

果物を洗う
[The Daily Star]果物はテーブルの上で腐りかけている。まるで私の怠慢が生み出した静物画のようだ。洗っていないティーカップと私の間の、いつもの光景だ。しかし今日は果物を洗う。空腹よりも疲労が勝り、配達員と話すことさえ耐え難い親密さに感じられるような日だ。

部屋から出ると、まるで家の中に幽霊のように、忘れてしまったかもしれない残り物を探す。母がくれたガラスのボウルには、バナナ2本とリンゴ1個だけが残っている。この空っぽの家の美しさと同じくらい、自分自身を大切にしてほしいと願ってくれたものだ。母はアイスクリームの容器に入ったカレーや、ショッピングバッグに入った果物を送ってくれる。使い捨て容器に入った愛。

リンゴを持ってキッチンへ行き、蛇口をひねる。何も出ない。焦りで指先が真っ白になりながら、さらに強くひねる。水が出ない。タンクに水を補充し忘れたに違いない。

私はこれが苦手です、と誰にもささやきます。

ダイニングテーブルに戻り、8脚ある椅子の一つに腰を下ろした。一人で食事をする女性には多すぎる。リンゴがそんなに汚れているはずがない。袖にこすりつける。哀れな洗礼だ。一口目はカリカリと音を立てる。鉄の血。血だ。誰の血?私の?リンゴの?母の?

鏡に駆け寄る。歯茎はピカピカで、傷も汚れもない。だが、果物を振り返ると、真実が明らかになる。果肉は黒ずみ、小さな飢えた口がうごめいている。腐敗した果物には歯がある。

この嫌悪感をどう止めればいいのだろう? 放置されたことに対する自然の罰。やり残したこと、愛さなかったこと、食べなかったこと。保存すること自体が裏切りのように感じる。

突然、部屋から冬の息吹が吹き出す。床は埃で覆われ、ティーカップの底には固まったミルクが溜まっている。そして、彼女の姿が目に飛び込んできた。

母は戸口に立っている。口は粗い黒糸で縫い付けられている。手には、新鮮でキラキラと輝き、完璧なフルーツの入った新しいボウルがある。母はそれをテーブルに置く。口の中の糸が緩み、蜜が滴る。

「あなたはすべてを台無しにしてしまうのね」と彼女は口ずさむが、唇は決して開かない。

手の中のリンゴが脈打つ。心臓が二度鼓動する。耳に当てると、泣き声が聞こえる。

オホナ・アンジュムは、英語文学を書き、韻を踏み、そして研究しています。


Bangladesh News/The Daily Star 20250517
https://www.thedailystar.net/books-literature/poetry/news/wash-your-fruits-3896316