【Prothom Alo】ミャンマー当局は仏教徒のバングラデシュ人数十世帯に、国境を越え、ロヒンギャムスリムが逃れて放棄された土地へ移住することを誘った。
土地と食料提供に誘われてバングラデシュ側の丘陵森林地帯から移ってきた50世帯は、ミャンマーの軍事的弾圧から数十万人のロヒンギャが逃れたラカイン州へ移った。
少数民族マルマ族、ムロ族がバングラデシュ丘陵県のバンドルボン(Bandarban)の故郷を出たと、地方議員のムインスインティー氏はAFPに話した。
議員によると、22世帯は先月、サングウ森林保護区の村を出発したという。
仏教徒にわずかなキリスト教徒を加えた彼らは、5年間無料の土地と食料、市民権を与えるという『ミャンマーの誘い』に乗ったと、議員は話した。
「彼らはロヒンギャがいなくなった土地へ向かいました。彼らはとても貧しいのです」
米国と国連が民族浄化と呼ぶ昨年8月に行ったミャンマーの軍事的迫害で、およそ70万人のロヒンギャがイスラム教徒の多いバングラデシュの避難所へ逃れた。
帰還合意はあったが、まだ一人のロヒンギャも帰っていない。ロヒンギャリーダーたちは、許可されたとしてもほとんどを治安部隊に燃やされてしまった村へは帰りたくない。むしろ避難キャンプのほうがましだという。
移住を確認したこの地域の2人の政府当局者は、55世帯がミャンマーへ向かったと話した。
「彼らはミャンマー側の複数の人から、5年間無料の家と食料を提供すると誘われました。この誘いのあと、移動を始めました」
政府当局者のジャハンジール・アラム氏はAFPに話した。
少数民族グループはラカイン州に親族を持ち、その親族がバングラデシュにいる彼らを説得したという。
「このグループは宗教的、言語的にミャンマーと類似しています。彼らの祖先の何人かはかつてミャンマーで暮らしていました」
別の政府担当者アル・カイザー氏は、アリ・カダムの町からミャンマーへ渡った際、男性が殺され、数人が爆発で怪我を負ったと話した。
2人はこの移住の背後に、政治的思惑があることを疑っているという。
「おそらくミャンマーは移住した人をニュースに使いたいと思っているのでしょう。また、バングラデシュでは彼ら仏教徒が苦痛と抑圧を受けるため、ミャンマーへ向かったのではないでしょうか」
一人が匿名を条件に話した。
バングラデシュ治安部隊はAFPに対し、ミャンマーは無償の食糧や住宅、牛、現金を提供する制度を利用して、ラカイン州に数千人もの仏教徒を移動させたと話した。
地方議員のムインスインティー氏は、過去3年で100世帯以上が村を出て、ミャンマーへ向かったと話す。
ミャンマー当局はロヒンギャが不在の中、ラカイン州北部でソーシャルエンジニアリング*制度を実施していると、オブザーバーはいう。
政府や軍が資金提供するか、民間が出資する一連の開発プロジェクトは、軍がイスラムの侵略との戦いの最前線と認識している地域を一変させている。
*人間の心理的な隙や、行動のミスにつけ込んで個人が持つ秘密情報を入手する方法のこと。あるいはプライベートな集団や政府といった大規模な集団における、大衆の姿勢や社会的なふるまいの影響への働きかけを研究する学問。元来はコンピューター用語。
Bangladesh News/Prothom Alo Apr 2 2018
http://en.prothomalo.com/bangladesh/news/173512/Myanmar-lures-Bangladesh-Buddhists-to-take-over
翻訳:吉本
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