高成長なのに職不足(前)

高成長なのに職不足(前)
昨日政策協議センター(CPD)は、バングラデシュはここ数年、高い経済成長を実現してきたにもかかわらず十分な職を作り出せていないと発表した。

シンクタンクによると、過去10年間6%以上の経済成長を続けており、今会計年度では主に公務員賃金引き上げにより7%の成長率を記録する見込みだという。

だがとりわけ2013年以降、経済成長は十分な職業創出に繋がっていないという。

CPDによると、2002から13年にかけ、従業員数は年間136万人ペースで驚異的に増加していたという。だがバングラデシュ統計局の最近の労働力調査では、2013年以降は年間30万人の増加にとどまっている。

CPD調査員のイスラム カーン氏は、2013年からの2年間で製造業の従業員数は120万人減少したと発表した。

「十分な職業が創出できないという社会への恩恵を伴わないGDP成長について、私たちは今一度考える必要があります」
CPD特別評議員のデバプリヤ バッタチャリア(Debapriya Bhattacharya)さんはいう。

物価の上昇や銀行の貸付意欲、収支バランス、経済成長にとって好ましい為替レートの維持などプラス要因があるにも関わらず、職業の創出率や労働生産性が低下しているとCPD。

CPDによると、2000年代前半から続く経済面の目覚ましい成果は、2013年まで強力な労働力成長を伴ったという。しかしこの傾向は近年停滞の兆しを見せている。

「GDPの目覚ましい成長を勘案すると、労働市場の成長の遅れと人口ボーナスが懸念の原因となります」

次会計年度予算では民間投資の増加と職業創出に着目するべきだとCPDはいう。

またCPDは教育や保健といった社会部門の予算増額も要請する。

バングラデシュの保健に関する公共支出の対GDP比の順位付けは、161ヶ国中155位。教育に関しては190ヶ国中189位だ。

CPDによると、教育を受けている中・高卒者労働力の失業率は大きく上昇しているが、逆に教育を受けていない労働力や求職者の失業率は低下してるという。

CPDはこの逆進的な傾向を、中所得国としての地位を保持する上での大きな懸念事項だとする。

The Daily Star May 26 2016
http://www.thedailystar.net/business/jobs-scarce-despite-higher-economic-growth-cpd-1229371