午前7時、目覚まし時計が鳴り、サミラさんは母親に起こされた。睡魔と闘いながら制服に着替える。彼女は10歳、4年生だ。
朝ご飯を食べたら、教科書とノートを詰め込んだ鞄をもって学校へ出発だ。サミラさんはリキシャに乗り、カクレール(Kakrail)の自宅からナヤパルタン(Nayapaltan)の学校へ向かう。始業は午前7時半だ。
「急いでいるせいで、朝ご飯を食べられないこともあります」
母親のルビナ アミンさんはいう。
サミラさんは正午に帰宅し、入浴、昼食、そして少しの休息をとる。そして午後3時に始まる学習塾へ急ぐ。午後4時半、再び帰宅したら今度は家庭教師と1時間のアラビア語の勉強だ。
ここで1時間の休憩。サミラさんはテレビを見たり、バルコニーで遊んだりするという。そして宿題をやり、終わったらまたしばらくテレビを見る。夕食を済ませるともう深夜だ。サミラさんはそのままベッドに倒れこむ。
「金曜日と土曜日を除けば、これが彼女(サミラさん)の毎日です。飽きてきた彼女に、時々外へ連れて行ってほしいとせがまれます。ですが近所には遊び場や空き地がないのでそういうわけにもいきません」
と母親のルビナさん。
これはサミラさんに限った話ではない。一般的な児童、特に都会在住の子どもたちは毎日こんな日々を過ごしている。授業や勉強、試験、個人授業、塾といった容赦のないプレッシャーのおかげで、子どもたちは自由で楽しい子ども時代を送れずにいる。
彼らはほとんど、あるいは全く屋外で遊ぶことなく育っていく。彼らの娯楽といえばバルコニーや駐車場や屋上で遊んだり、コンピューターゲームをしたり、あとは単にテレビを見たりするだけだ。
ラマダン中は休業になるので少し気が楽になるが、学校は大量の宿題を出す。そして一たび始業を迎えれば、今までと同じ、疲れるばかりの毎日の始まりだ。
The Daily Star June 10 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/kids-caught-chores-1237366
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