農業省(MoA)は灌漑による地下水の過剰消費に悩まされており、長い間、代替案を模索してきた。そのためモシウル教授チームによるボロ米栽培の節水技術の開発成功の知らせを受け、安堵した。
農業省はモシウル教授に聞き取りすることや、直接種蒔き栽培の試験に強い関心を持っている。モシウル教授は講演に招かれ、今日聴衆を前に、この栽培方法のプレゼンテーションを行う。モティア チョウドリー農業大臣も教授の講演を聞く予定だ。
昨日行われた特派員の取材に対し、国内に約500万ヘクタールあるボロ米栽培地のほとんどで直接種蒔き栽培を実施すれば、莫大な量の水を節約できるとモシウル教授は力説した。水の90%は地下水から吸い上げているという。
「この栽培技術は大きなコスト削減にもなります。現在ボロ米栽培のピークシーズンには、1600万以上ある個人所有の浅層汲み上げポンプや公共部門で稼働している深層掘り抜き井戸で、一日当たり1千万リットルのディーゼル燃料と1千メガワットの電力が消費されますが、これを半減させることができる見通しです」
モシウル教授は言う。
国内では浄水の約88%が農業に使われ、その内約73%は米の生産用だ。国連食糧農業機関(FAO)の報告書は次のようにいう。
「バングラデシュの一部、特に北西部のバリンドトラクトでは、既に自然水系悪化の兆候が見られる。地下水面の低下は水質に影響を与え、その結果土壌や作物の生産、植物相、動物相にも影響が生じ、健康被害を増加させる」
The Daily Star June 09 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/the-water-saver-1236715
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