イード用商品のオンライン取引量は、昨年に比べて2倍以上増加した。多くの人は面倒な交通渋滞やショッピングモールでの人込みを避けるため、商品をオンラインで購入するのだ。
ラマダン中の電子取引市場の1日当たりの国内購入件数は、昨年の1万件に対し、今年は2万件を超えると関係者はいう。
イードアルフィトルまでに20億タカ(26.2億円)以上の売り上げが見込まれる。昨年は10億タカ(13.1億円)だった。
バングラデシュソフトウェア情報サービス協会(BASIS)電子商取引同盟幹部のファヒム マシュロール氏はデイリースターに話した。
「40以上の電子取引会社と話をしました。どこも昨年よりも好調だと言っています」
電子商取引同盟のラジブ アーメド会長は話す。
アーメド会長によると、オンライン取引の支払いの大半は商品配達時に現金で行われるため、売上げの正確な数字を出すのは困難だという。
世界銀行によると、2014年は2つのイード間の3ヶ月間で、100~120億ドル(7735億~9282億タカ、1兆142億~1兆2170億円)の小売売上高を記録したという。
国内のインターネットや携帯電話利用者の急速な増加に伴い、現在では500ほどの電子取引サイトや3千以上のフェイスブックを使った販売者がオンラインで商品を販売する。
電子取引サイトの大部分がフェイスブックを利用しているため、近年はソーシャルネットワーキングサイトの商品宣伝も増えている。
国内のオンラインショッピング文化は、主に若者や定職についている人たちが動かす。
ダッカのある会社の中間管理職サディア シャルミンさんの場合、面倒なイードショッピングは今や数分でできるようになった。
ここ2年間サディアさんはイードショッピングの大半を、休みのかなり前に、電子取引で済ませている。
今年は自分用のサルワールカミズとサリー、さらに子どもの衣服、使用人用のサルワールカミズを購入した。
「私はオンラインショッピングが好きです。交通渋滞で何時間も足止めされたり、売り手との値切り交渉をする手間が省けるからです」
サディアさんは言う。
だが一方で、ショッピングモールや市場での買い物をする際のワクワク感を失ってしまったとサディアさんは認めた。
「市場やショッピングモールでの買い物は本当にワクワクしますが、私には時間の制約があるのです」
サディアさんは言う。彼女は購入した商品のほとんどをテジュガオン(Tejgaon)の職場で受け取る。
国内だけでなく、在外バングラデシュ国民も国内主要ブランドのオンラインストアを利用し、故郷にいる家族のためにイードショッピングを行う。
イタリアに住むフマユン カビルさんは、家族のためイードショッピングを済ませた。バングラデシュの大手小売業者アーロンに注文を入れたのだ。
母親にはサリーを、父親にはパンジャビを、弟と妹には流行りの服を買ってあげた。嬉しいことに故郷のゴパルガンジ(Gopalganj)に向け、すでに商品が発送されている。
「電子取引サイトはヨーロッパからでさえも、バングラデシュにいる家族用に買い物をする機会を与えてくれます」カビルさんはイタリア北部のボルツァーノ(Bolzano)から、電話でデイリースターの取材に答えた。
アーロンや他の有名ブランドによると、注文の半数は在外バングラデシュ国民からで、これは今年のイードショッピングの特徴だという。
「オンライン注文の50%以上が、イード前に外国から来たものであることに非常に驚いています」
アーロンのモハマド アブドゥル ロウフ最高執行責任者(COO)は話す。
高級衣服を販売するパナシェイベンツのサベラ アンワール最高経営責任者(CEO)によると、購入者の30%以上は在外バングラデシュ国民で、残りの大部分はダッカ(Dhaka)からの注文だという。
イード前のオンライン総売上は昨年の2倍以上になったとアーロンのロウフCOOは話す。
「これは人々がオンライン購入に慣れてきたことを意味します。来年には更なる売り上げ増を期待します」
アーロンはオンラインで最も買い物をした人に対し、ミャンマーへの航空券といった販売促進パッケージを提供している。
他の企業もアーロンのようにキャッシュバックを始めとした販売促進を行い、売り上げの増加を図る。
多国籍企業も十分なパイの分け前をつかみ取り、バングラデシュで存在感を強めるため、国内電子取引市場に乗り込みつつある。
国際的な履物ブランドのバタは昨年、オンライン市場のajkerdeal.comやdaraz.com.bdを通してオンライン販売を始めた。ここ2ヶ月間でいくつかの国内外企業もオンラインストアを展開し始めた。
ストレスがなく、時間を節約できる買い物の場を提供しているが、電子取引には全く問題がないわけではない。時には買い物客がオンラインで購入した商品の品質について不満を漏らすことがある。
ダンモンディ(Dhanmondi)の大学生、ファーミダ アラウディンさんはオンラインショッピングで複雑な経験をしたことがある。
ファーミダさんは最近とあるオンラインストアから、サングラスを800タカ(1049円)で購入した。商品は注文の翌日に配達された。良い商品だったとファーミダさんは言う。
その後別のオンラインストアからサルワールカミズを購入したのだが、洗濯すると色が落ちてしまったという。
BASISのファヒム氏はこの業界ではまだ詐欺と闘っており、顧客の全面的な信頼を得るには時間がかかるという。
ファヒムさんはajkerdeal.comのCEOでもある。彼の会社では顧客に対し、購入した商品に不備があった場合、交換する機会を提供する。
「まがい物を避けるため、消費者は信頼できるオンラインストアで買い物をすべきです」
オンラインストアが店舗の販売にとって代わるためには、商品やサービスの質を改善していかなけらばならないとファヒムさんは話す。
The Daily Star July 1 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/eid-shopping-online-doubles-1248592
#バングラデシュ #ニュース #電子商取引
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