休暇は海外で

休暇は海外で
アシクル ラーマン(Ashiqur Rahman)さんは今年のイードに大きな計画を立てた。

彼は7月7日に4人の家族と一緒にマレーシアに旅行する予定だ。首都に住むこのプライベートバンカーは、既にビザを取得し、準備も全て整えた。

「1週間の休暇を予定しています。家族が国外で過ごす時間や余裕はなかなか持てません。今回チャンスを得られたので、この機会を逃したくはありません」とアシクルさんは話した。

40歳の彼が家族と一緒に国外へ旅行するのは、今回が初めてだ。一家はランカウイ島とペナン島を訪れる計画だ。

「子どもたちにとっても素晴らしい旅になればと思います」

イスラム教最大のお祭りの1つ、イード・アル=フィトル中に静かな休暇を求めるのはアシクルさんだけではない。彼と同じように、非常に多くの地元の行楽客が、国内外の観光地でイードを祝う準備をしている。

130万人の公務員が金曜日から9日間の休暇を取得するため、この国の観光産業はこのイードの時期には大盛況になると見込まれている。ホテルやリゾートの経営者らはこの祭りの期間中、様々な特別パッケージを提供し、多くの予約を受けている。

数十万の人々は、この祭りを祝うために、途中の様々な困難をものともせず、故郷へと向かうものの、このイード休暇中に国内外の観光地を訪れる人の数は、中間層の所得が上がる中で増加している。

旅行業者によると、イード休暇中、国内旅行者は主にこの国の主要な観光地であり、世界最長の砂浜 (約125キロ) が広がるコックス・バザールに向かうという。

このビーチの街のほとんどのホテルやモーテルには、既に非常に多くの予約が入っている。

「今年、観光客の皆様から頂いている反応は、過去数年よりも大きくなっています」
コックス・バザールの高級ホテル、ホテル・ザ・コックス・トゥデイのモヒウディン カーン ココン(Mohiuddin Khan Khokon)営業マーケティング部長は話してくれた。

彼によると、7月8日と9日にはホテルは満室となっていて、翌日の空室もわずかだという。

しかしココン部長は、もしコックス・バザールまでの直通列車があれば、もっと多くの人が旅行しただろうと話す。
「旅がスムーズで安くなれば、みんな旅行したいと思うでしょう。これは国内観光業の大きな起爆剤となります」。

コックス・バザールには、約300のホテルやモーテル、ゲストハウスがあり、6万8000人以上を収容できる。コックス・バザール・ホテル・モーテル・ゲストハウス経営者協会のアブール キャセム シクダー(Abul Kashem Sikder)事務局長は話す。

「天気が良ければ、イードの翌日には約20万人の観光客がコックス・バザールに押し寄せるでしょう」

コックス・バザールの他にも、ランガマティやバンダルバン、シレット、セント・マーティン島などの観光地にも、国内旅行者は集まっている。

ランガマティには約18のホテルやモーテルがあり、観光客の殺到をさばく準備も整っている。

ランガマティにあるバングラデシュ観光公社のサダダット ホサイン(Sahadat Hossain)課長補佐によると、イード休暇中、モーテルやゲストハウスには既に90%以上の予約が入っているという。

シレットも多くの観光客を魅了している。

コディムノゴリ(Khadimnagar)のナジガー・ガーデン・リゾートやジョインタプールのナジガー・ウィルダネスの稼働率は今のところ好調だと、ハサン ムルシェド(Hasan Murshed)支配人は話した。

だがイードの4、5日前になると、変化が現れ始めるという。その時期になると移動手段を確保できず、予約をキャンセルせざるを得ない人がいるからだ。

近郊の街を希望する旅行者には、ガジプールの近くのリゾートもある。

「ダッカの退屈な日常生活から逃れるためなら、近場に行くのが一番です。時間もお金も節約できます」と、イード後の2日間、ガジプルのリゾートを予約したイシュラト ジョホン(Ishrat Jahan)さんは話した。

グリーンテック・リゾート・アンド・コンベンション・センターは、ガジプルにある人気のリゾート地で、73の客室があり、150人の宿泊客を収容できる。

ダッカから約2時間のこのリゾートでは、既に70%前後の予約が入っていると、このリゾートのナヤン タルクダー(
Nayan Talukdar)支配人は話した。

「イードまであと数日あります。満室になってほしいと思います」

国内旅行の他に、現在では多くの人々が国外で休日を過ごしている。旅行会社や航空会社は様々な割引パッケージを展開している。

旅行業界関係者によると、今年の国外旅行者数は、国内で休暇を過ごす人よりも多くなる見込みだという。

「ますます多くの人がイードを休暇のチャンスと捉えるようになっています。25万人近くのバングラデシュ人がこのイードに国外を訪れる見込みです」
バングラデシュり観光業協会 (TOAB) トウフィク ラーマン(Taufiq Rahman)会長は話してくれた。

国外旅行者はインド、マレーシア、タイ、中国、ネパール、ブータン、スリランカ、モルディブ、ヨーロッパのいくつかの国々を巡ると彼は語り、旅行者の多くは長期休暇となるため、イードの前に出発すると付け加えた。

その理由を説明する中で、TOABの会長は、簡素なビザ申請手続きや格安航空券が国外旅行の増加の原因だと語った。

「ネパールやブータンへの3日間の旅なら、4万タカで行けます」とトウフィク会長は話した。

グリーン・ホリデー・ツアーズのボーハン ウディン(Borhan Uddin)最高経営責任者は、ビザの手続きが簡略化されたため、増加した旅行者のほとんどはインドに向かうと話した。旅行費用が安いため、人々はネパールやブータン、スリランカ、タイなども訪れる。

別のツアー会社ミアズ・ツアーズ・アンド・トラベルの職員ミロン ホサイン(Milon Hossain)氏は、インドネシアに飛ぶ旅行者もいると話した。同国が到着ビザを発給しているからだ。この旅行代理店は地元の100人ほどを外国旅行に手配する予定だ。

国内旅行や観光業は昨年、この国のGDPの2.4%に相当する4076億タカ(5310億円)の直接波及効果をもたらした。世界旅行ツーリズム協議会の最新の研究によると、今年は5.2%にまで上昇すると見込まれている。

The Daily Star July 05 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/holidaymaking-abroad-1250461
翻訳:gengo