耳に残る被害者の声

耳に残る被害者の声
バングラデシュのカフェで起こった虐殺事件の生存者は、耳に残る被害者の声に青ざめながら、事件当夜をどのように過ごしたか振り返ってくれた。

グルシャンにある高所得者向けの西洋スタイルカフェ“ホーリーアルチザンベーカリー”の従業員は、イスラム教徒だったため、命を奪われずに済んだと話してくれた。だがこの匿名の従業員は11時間に渡る厳しい試練を生き延びることはできないと思っていたという。

「集団は武器を発砲しながら、レストランに乱入してきました。彼らはアッラーフアクバル(Allahu Akbar:アッラーは偉大なり)と叫んでいました。彼らは私と2人の同僚を連れて行き、テーブルに頭を突っ伏した状態で、強制的に椅子に座らせました。そして私がイスラム教徒であるか、彼らは尋ねました。そうだと答えたら、彼らはイスラム教徒に危害を加えたりしない。非イスラム教徒だけだと言いました」

「その間ずっと私はアッラーに祈っていました。彼らは私たちに頭を上げないように警告しましたが、私は少しだけ頭を上げてしまった。そのとき床に血まみれの人が見えました」

20人の犠牲者の検死は完了していないが、アサドゥッザマン カーン内務大臣は、膠着状態となった最初の10分間で犠牲者のほとんどが殺害されたようだとAFP通信に話した。

「その集団がレストランに入ってから最初の数分間で、たくさんの叫び声や泣き声、発砲を聞きました。その後長い沈黙がありました」
匿名の従業員はいう。

「真夜中、新たな銃声を何度か聞き、一時的に静かになりました。電気はありませんでしたが、別のテーブルで座っている何人かのバングラデシュ人客の姿が見えました。彼らは断食しているのかどうかを私たちに尋ねました。断食していると答えると、夜明け前に食べることができるよう、いくらかの食べ物を持ってきました。私は少しだけ食べて、水を飲みました」

「軍が建物に突入するかもしれないと気づいたとき、彼らは最後にもう一度私たちの部屋にやってきました。イスラム教徒を傷つけるつもりはない。イスラムの名を汚さず、良いイスラム教徒であり、イスラムの誇りを守るようにと言いました。それから彼らは部屋を出ていきました。私たちはたくさんの発砲音を聞きました。数分後すべてがやみました。私は頭を上げてトイレへ行きました。その後軍が来て、私たちを救出してくれました」

「新たな日を迎えられるとは信じていなかった。私の人生で最も長かった時間でした」

The Daily Star July 3 2016
http://en.prothom-alo.com/bangladesh/news/110719/Dhaka-attack-survivor-haunted-by-screams-of
翻訳:T.A.