ダッカ(Dhaka)外交地区のレストランやショッピングモールには不気味な静けさが満ちている。普段は富裕層の人々でいっぱいのこの区域は、人気のカフェで20人が殺害されて以来閑古鳥が鳴いている。
ダッカにあるホーリー アルチザン ベーカリーで発生した襲撃事件から5日が経つが、多くの施設は閉鎖されたままだ。動揺するグルシャン(Gulshan)の住民たちは、不安のあまり外へ出られない。
「来客数が劇的に減少したため、経営層はしばらくの間閉店することを決めました」
近隣にある有名レストラン"メラキ"のガードマン、アブドゥル マジドさんは言う。
聖なるラマダン(ベンガル暦9月、断食月)の終わりを記念する祝祭イードの事前期間、普段ならショッピングモールは人でごった返し、ほんの数日で数百万ドルがやり取りされていた。しかし例年であれば賑わいを見せているはずのグルシャンDCCマーケットに、今年は人がいない。
木曜日に始まるイードは控えめなものになるだろう。数千人の人々が集まり最大規模の集会が開かれるダッカ中心部の国立イードガー マイダン(屋外集会場)では、参加者はバッグを持ち込まないよう指示され、高いセキュリティが付けられる。
金曜夜、少なくとも5人の銃撃者がベーカリーを襲撃し、警察と11時間にわたって火花を散らした。主に日本人とイタリア人が刃物で殺害された。
襲撃現場の近くにあるタイ料理店のソイ71と、その隣の韓国料理店スラオンは普段は深夜まで賑わっているが、火曜日は閉店していた。
「ここ数日間でこれほど静まり返るとは信じがたい事です」
高級店バトラーズチョコレートカフェの経営者モハマド ファラーンさんはいう。
「襲撃事件により、まさに天地がひっくり返りました」
"移動する爆弾"
イギリスは自国民に対し、国際ホテルや大型スーパーマーケット、クラブといった外国人がよく訪れる場所を避けるよう警告している。日本企業のユニクロは従業員に対し、不急の渡航を制限した。
ダッカ住民には、この襲撃がバングラデシュにおける暴力の拡大の知らせなのではないかという恐れがのしかかっている。
過去3年間、イスラム過激派たちは外国人や宗教的少数派、世俗主義作家たちを批難し、殺害を行ってきた。しかし、金曜日の殺人事件は全く異なる規模のものだ。
「アパートや複合建物の避難経路についてずっと考えています。あまりに恐ろしくて、これ以上この街にはいられません」
ダッカの私立大学の研究員シャハナ シディクイさんはフェイスブックに投稿した。
実行犯たちが、教育を受けた社会の富裕層だったという事実は、イスラム主義がはるか遠く公民権を持たない若者たちにまで広がり、マドラサ(神学校)が過激化するという恐れを引き起こした。
「行方不明の若者たちは潜在的な移動爆弾です。彼らはいつでも、どの場所でも襲撃を行う可能性があります」
企業家のムシュタク アーメドさんはソーシャルメディアに投稿した。
月曜日午後、厳重に警備されたグルシャン地区の公園で催された追悼式では、この襲撃が最後ではないと不安を示す人たちがいた。「私たちが今見ているものは氷山の一角でしかありません。彼らは自分たちの題目を喧伝するため、人を殺しに来ました。そして、我々の子供たちにも彼らのイデオロギーは伝わったのです」
退役准将で安全アナリストのサカワト ホサインさんは参加者たちに話した。
Prothom Alo July 06 2016
http://en.prothom-alo.com/bangladesh/news/111029/Neighbourhood-falls-silent-ahead-of-Eid
翻訳:ハセガワ
#バングラデシュ #ニュース #ダッカ人質事件
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