衣料バイヤー撤退せず

世界の小売業者たちはバングラデシュから衣料品買い付けを継続する。グルシャン(Gulshan)で先週起こったテロリスト襲撃以後のビジネス戦略に、大きな変化をもたらす計画がないためだ。

7月1日、過激派の一団がダッカ(Dhaka)グルシャン地区にある高級レストランを襲撃し、20人の利用客を殺害した。死者にはイタリア人9人も含まれ、その多くは衣料品貿易に従事していた。

外国人を標的としたこの襲撃は、国内衣料品部門の将来見通しに疑問をもたらした。バングラデシュの衣料品業界は、世界最大の供給者としての地位を中国にとって代わろうとしている。

「買い付け変更の計画はありません。しっかり継続開発を行っています」
バングラデシュ製衣料製品の最大手バイヤーH&Mのウルリカ ボグ リンド報道担当はデイリースターにメールで答えた。

このスウェーデンにある巨大小売会社は、バングラデシュから年間50億ドル(5090億円)の衣料品買い付けを行っている。

オランダの巨大小売会社であるC&Aも同様に、襲撃を理由にバングラデシュでのビジネス計画を変更するつもりはないとした。

「バングラデシュはC&Aにとって最重要生産国の1つであり、バングラデシュの現在の情勢を注意して監視します。現時点では事業展開で短期的、長期的な変更は考えていません」
デイリースターにメールで返信が送られた。

スペインの小売会社マンゴーからも同様の文面が返された。
「私たちはバングラデシュの織物供給者と一緒に仕事をしており、両者の関係は先週の襲撃の影響を受けないでしょう」
イドヤ ノアイン ルイズ通信・公共関連部長は言う。

マンゴーは2014年、商品の6.65%をバングラデシュから買い付けていて、その規模は将来的にも同じままだとルイズ氏は言う。

衣料品メーカーによると、小売業者によっては安全上の理由からバングラデシュへの入国を拒み、地元の生産者を第三国に呼び出している場合もあるという。

「襲撃後にダッカへの移動を嫌がるバイヤーたちと会合を開くため、少なくとも4つの衣料品メーカー代表者が第三国に向かっていると聞いています」
編物生産者フラットフォームBKMEAのモハマド ハテム副会長はいう。

小売業者は現在、生産者たちをインドや香港、バンコクに呼び出しているとハテム氏は言う。
「ですがグルシャン襲撃に伴い、バングラデシュとの取引を切り捨てるとは、どのバイヤーも言いませんでした」

ナラヤンガンジ(Narayanganj)県を拠点にするプラミーファッションのファズルル ホック社長によると、日本人バイヤーの1人が7月19日に工場事務所で開催するはずだった会合に参加することを拒んだという。
「ですので、会合を開くため、私が日本に向かいます」

テロリスト襲撃による犠牲者の中には日本人7人も含まれていた。

その一方、とあるドイツ人バイヤーはダッカへの移動予定を変更しなかった。
「小売業者たちは私たちの工場に来る予定です」

予定されていた会合が第三国に移されることで、バイヤーは生産工場を訪問することができず、注文量の低下につながる可能性があるとホック社長はいう。

小売業者たちは3ヶ月間の全国ストライキがあった2015年にも第三国で会合を開いていた。

「衣料品小売り業者から、ダッカへの移動計画を中止する可能性に関する情報は、今のところこちらには届いていません」
バングラデシュ衣料品製造・輸出業者組合のモハメド ナシル副会長はいう。

バングラデシュ衣料品購入業者組合のKI ホサイン会長は他の供給者たちの見解を反映し、バイヤーたちは8月と9月にはバングラデシュを訪問し、来春に向けての注文を入れるだろうという。

「襲撃の影響で、一部の小売業者は渡航計画を変更するかもしれません」

The Daily Star July 10 2016
http://www.thedailystar.net/business/garment-buyers-not-giving-bangladesh-after-cafe-attack-1251322
翻訳:ハセガワ

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