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将来への恐れや心配、不安の入り混じったビジネスマンの感情がグルシャン(Gulshan)のレストラン経営者たちを襲う。ホーリーアルチザンベーカリーの殺戮にいまだに動揺しているのだ。
この地区のレストランは開店休業状態が続いている。襲撃事件は人々をあまりにも震え上がらせたため、いまだ外での食事が怖いのだと、グルシャンの飲食店経営者や店員はいう。
また単にレストランへ食事に行くためだけに、厳重に警備された道路を通ろうとは思わないお客もいるだろうと、経営者たちは推測する。グルシャンにあるいくつかのレストランを取材した特派員によると、襲撃事件以来の著しいお客不足で、売り上げが急速に低下したという。
Interior of Village restaurant at Gulshan-1 is seen. The photo is taken at about 5:45pm on 14 July. Photo: Toriqul Islam
匿名希望のとあるレストラン経営者は、襲撃後、来客数がほぼ95%低下したという。当局からレストランを閉鎖するよう圧力もかかっている。
「頭痛がするからといって、頭を切り落とすことを勧めたりするでしょうか」
悩みを抱えるあるレストランオーナーは問いかける。彼もこの圧力には不満を表す。
「これでは解決策にはなりません。レストランを閉鎖して良いことは一切ありません。必要であるなら、安全強化のため、さらに投資する準備もできています」
予約は全てキャンセルされ、新たな予約も入らなくなったと彼は言う。
Interior of Bittersweet Cafe is seen. The photo is taken at about 6:00pm on 14 July. Photo: Toriqul Islam
「ホーリーアルチザンベーカリーの襲撃後、お客様の来店数は著しく減少しました。お客様の40%は外国の方ですが、7月1日以降、1人としていらっしゃってません」
グルシャン1にあるビレッジレストランの経営者、メヘディ ハサンさんはいう。
ガードマンを増員しているにもかかわらず、お客が来ないとハサンさん。
「安全強化は可能ですが、お客様に来ていただくにはそれで十分なのでしょうか。度が過ぎた安全措置は、お客様に悪い雰囲気を与えるでしょう」
グロリアジーンズコーヒー・グルシャン1支店の店員は特派員に対し、自分たちはこの問題について話す権限を与えられていないという。
「地方政府は我々に対し、レストランの現状については一切情報共有をしないように指示しました」
最近の売り上げや来客数を聞いた際、グロリアジーンズコーヒーの安全担当者が話した。
No customers are seen at Meraki restaurant which is near the Holey Artisan Bakery at Gulshan-2. The photo is taken at about 6-15pm on 14 July. Photo: Kohinur Khyum
だがこのカフェの来客数は近隣にある同じような店と変わらない。グロリアジーンズはこの地区では最も人気があるカフェの一つだが、ほんのわずかな客しか見あたらない。
襲撃への恐怖だけがグルシャン飲食店を避ける理由ではないと考えるレストラン経営者もいる。警備が多方面にわたり強化されたためでもあるという。
「グルシャン襲撃事件以後、セキュリティチェックは非常に厳しいものになりました。以前はグループで訪れていた若者たちはこの店への来店を意図的に避けています。セキュリティチェックを不快に思うのでしょう」
ナンド・グルシャン2支店の店員は言う。
グルシャン2検問所のある警察官は、この地区の警備は大幅に強化されたという。
「大きなバッグを持っている通勤者や、暗いガラスの車、バイク乗りなど、怪しい者はすべて検査しています」
Part of the Road 79. The photo is taken on 14 July. Photo: Prothom Alo
ビタースイートカフェのある店員は、グルシャン襲撃事件以後売り上げが50%落ちたと話す。
「私たちのカフェは外国人に人気です。外国人のお客様は10%にまで減少しました。フロアにわずか2人しかいないのが見えると思います」
店員はこう言って2人の来客を指し示した。
「襲撃の事前予測はできませんが、少なくとも抵抗はできるように、台所にさらに多くのナイフをストックしました」
グルシャン2にあるメラキレストランは、ホーリーアルチザンベーカリーからそう遠くない場所にある。人々はパニックに陥っており、この辺りのレストランでは外食ができないのだ。フロアマネージャーのカマル シャリフさんはいう。
「あの事件以前は満席だったものが、今は5%すら埋まりません。ほとんどゼロのようなものです」
シャリフさんはこう言い、空いている席を指し示した。
Part of the Gulshan Avenue is captured at about 6-30pm on 14 July. Photo: Toriqul Islam
グルシャン2にあるスバッロの店員によると、事件があって以来売り上げは40%低下したという。
「私たちの店は2つの警察署の間に位置しており、店の真正面に検問所があるため、比較的上手くやれています。しかし厳重な警備にもかかわらず、売り上げは30~40%低下しました」
スバッロの店員はいう。
グルシャン北通りはバトラーズカフェが入ってから、夜中まで車でごった返していた。今では寂れた空気をまとい、お客は驚異的な成功を復活できるか問いかける。
ホーリーベーカリーと同じように、辺りには恐怖が漂う。以前のバトラーズは午前2時まで営業していた。現在は当局から午後11時30分までに閉店するよう指示されていると店員はいう。
7月1日、テロリスト集団がバングラデシュ人約40人と外国人たちを人質に取った。襲撃者たちは残酷にも外国人18人を含む20人の人質を殺害した。
Prothom Alo July 19 2016
http://en.prothom-alo.com/economy/news/112521/Uncertainty-grips-Gulshan-restaurants
翻訳:ハセガワ
#バングラデシュ #ニュース #ダッカ人質事件
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